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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第四章 奥へと迷走、探索は着々と
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第五話 迷宮二層目


「それじゃ行こうか」


「おう」


「はい」


 あれから気を取り直して、ログインした2人と合流し、いざ迷宮へ。昨日何とか1層目……1階?いや降りてくから1層目で良いか。とにかく1層目を踏破したので次は2層目である。


「そういやマッピングの魔法はどうなったんだ?」


「ん?ああもちろん手に入れて取得してきたよ。MPの消費も何とかなりそう」


「早くね……?」


 何気なしに聞いた事だったが、まさかもう手に入れているとは……!このイベントのせいで品薄で手に入りづらくなっているという話ではなかったのではないだろうか?


「一体どうやったんだよ?流石におかしくね?」


「いやー、知り合いの1人が取り置きしてくれてたみたいでね、まあ5倍の値段ふっかけられたけど、そもそもの値が大した事なかったから大した痛手でも無かったよ」


「いやいや5倍って……俺2倍分払うよ」


「わ、私も払います」 


「いやそれだと原価になっちゃうじゃん」


「良いんだよ手間賃……なんなら全部払おうか?」


「あ、そう?じゃあありがたく」


「オイ……5倍って本当だよな?」


 今更だが、ちょっと疑心暗鬼になってくる。そういう手段をショウが取ってくる事はあんまり無いが、コトネさんがいる前では流石にやらないだろう。調子が良いのはいつものことなので、そこはスルーでいいか。


「あはは、本当だよ。5倍ったって、そんな金額じゃないから別に僕が全額でも良いしね。払ってくれるならありがたく貰うけど」


 そんな訳でショウに金額を聞く。本当に大した金額じゃ無かったので、俺もコトネさんも手持ちの金で十分に足りた。そもそも需要があんまり無かったみたいだから安いのか。この使うのに打って付けのイベントが無けりゃ、使う機会なんて……この前あったけど無いな。わざわざ取得しておく必要も無く、終わった後も一応……なんて事もないのだろう。まあとにかく1つ懸念事項が解決したな。あとは……ああそうだ。


「罠に関してはどうするんだ?」


「あ、それはナシ。スクロールで取得できる分に関してはちょっとしたものぐらいしか役に立たないみたいだから、取ったところで僕達にとっては無駄無駄。それなら地道に罠っぽいのを見つける経験でも積んだ方が良いみたい。何かめっちゃ目を凝らせばほとんどは仕掛けが見えるみたい、物理トラップだけだけど」


「あ、そうなんですか……じゃあ一応は専門の人がいなくても……」


「まあいた方が楽は楽だろうけどな。今はもう入ったけど今後どうするか……そもそも今のスタンスとしてはあんまりメリット無いというか利点……意味同じか」


 実際に口に出した訳ではないが、この場にいる3人は最下層は行けたら良いなという感じで、ここで赤の他人を入れてもという感じだ。野良パーティなら普通に入れるだろうが身内が3人だからなあ、状況的に入れづらいし、入る側も居心地微妙だろう。いっそのことNPCならと思うが、迷宮に入れない仕様になってるからなあ。これはショウとコトネさんも同じ意見だったような考えだったらしい。


「そうだね、僕の知り合いならまだしもフリーな人は全員どっかしらに誘われてるみたいだから……野良となるとイベントだから長期間になるし面倒だね」


「私もあまり……進むのは遅くなるでしょうけど、お、お2人と……」


 まあ他のプレイヤーが嫌とかではなかろうが、いなくても何とかなる状況になってしまったのでそういう結論になった。コトネさんの言った通り進行は遅くなるだろうが、うっかり引っかかる罠も醍醐味だと思えば……面倒だが、それも良いか?

 こういうイベントで、目標は最下層一番乗りとか収集とかマップ埋めとかだが、マップ埋めには興味は無いし、トップはもう15階層に到達しているので一番乗りもクソも無くなった。まあ地道に進んでいけばどうにかなるだろう。


「とりあえず気をつけて進むしか無いよな」


「そうだね、まあ僕達ガチ勢じゃ無いし攻略は他に任せて甘い汁を吸わせてもらおう」


「ショ、ショウさん言い方……」


 マップが時間経過で変わるという情報はまだ無いし、規模からいってそれも無いだろう。なので時間が経てばマップ情報も売り出されるか。行き詰まったら見れば良いし、他のパーティとも合わない訳じゃないだろうから臨時で協力する機会もあるかもしれないな。

 そうして罠が無いかと注意して進んで行く。それでもまだ結構な確率で引っかかってしまったが、致死性のものは無かったので何とかなった。


「あのモンスター少ないですね……」


「まあ2層目だしね。さっさと進んで欲しいんじゃない……それにしても今回はエクストラモンスターとか用意されてるのかな?」


「さあ……いるとしても俺達が遭遇出来るとは限らないからなあ。春イベのアハルテケだってコトネさんのおかげだし」


「きっかけはコトネさんといえばコトネさんみたいだからねー、あのお婆さんとの関わりもコトネさんが良かったおかげじゃない?」


「いえ私はそんな……エクストラモンスターって物凄く希少ですよね?」


「コウが2回も遭遇している上に倒してるから麻痺しそうだけどね。僕だって他のプレイヤーのおこぼれに預かってやっとだったのに……チート?チートなのかい?スキル手に入れたのコウだし」


「オイコラ、お前が垢BANされてしまえ……もしいるとしたら徘徊タイプとかか?役割的に」


「あとは無難にラスボスとか?」


「可能性はあるかもだけどなあ。どっちにしろ進みが遅い俺たちじゃ望み薄だな」


 トップとの進行度の差はどんどん広がっていくし、結局罠の対策早くなる事もない。それにそうそうエクストラモンスターと遭遇してたらそれこそLUCがどうなってんだという話である。もしラスボスならどうしようもねぇしなー。その場合ラスボスどうなるのかな、普通のモンスターにすり替わるのか?


「それにしても罠多くね?」


「まあ3人とも引っかかってるから余計にね。ポーション多めに持っといて良かったよ」


 大したダメージがないおかげでほぼアトラクション気分で済んでいる。まあそれでも下手に頭に喰らうとクリティカルなので結局神経がすり減るんだよな。毒とかの状態異常も確認できたのでそれ用のポーションも持っといてよかったなあ。コトネさんの試作品のポーションの試しにも役立っているので一石二鳥か?


「そもそも罠対策無しで進むなって話だよね」


「それはそうなんだよなあ」


「そうだ、コウサブジョブ盗賊にしなよ、まだ決めてないでしょ」


「はあ?あー…….いや今とっても間に合わないだろ。そう簡単にスキルレベル上がんないだろ」


「そうだけどほら、無いよりマシ?」


「育てても足りなきゃ意味無いし、イベント終わってジョブ変えたらせっかく育てたのが無駄になるじゃん」


「あーどうだったかなあ?まあ1になって残りはするだろうけど」


「意味ねー……」


 時間をかけて上げたレベルのスキルだとしても汎用、もしくは最低限のレベルを残して呆気なく消えるからなあ、ジョブ変えると。もし出来るなら時間をかければ全ジョブ系統のスキルを取得するとか出来るからな。そうなったらそうなったで便利だが、ジョブシステムの意味皆無だな。


「この先罠のレベルがどうなるか知らんし、致死性のが連発とかにでもならない限りこのままで良いだろ」


「まーそうだよね……あ」


 角を曲がろうとしたところ、その先にいたモンスターと鉢合わしてしまった。昨日遭遇したのと同系統との様で近接っぽいな。会話に夢中で音に注意してなかったな。


「うわっとっと」


「うわ、そらっ!」


 驚いたので先手はあちらだったが、攻撃を躱しながら、脆そうな所を攻撃していけばすぐに倒す事が出来た。はー……びっくりしたな。今回のは槍みたいのだったな、昨日のは(クロー)だったけどどのぐらい種類あるんだろうな。


「はあ、こういうのもあるよね、迷宮だし」


「気をつけて進もうか、何度目か知らんけど」


「そうですね……」


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