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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第四章 奥へと迷走、探索は着々と
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第一話 イベントのお知らせ

この章から更新が2日おきになります。

次回は11月1日です。


「鋼輝知ってる?」


「ああ、新イベだろ?」


 この前のクエストが終わってから1週間が経った。動いていると汗が出るのが感じられる気候になってきて、夏が近づいてきているのが分かり、運営から次のイベントのお知らせが来た。気になるその内容はというと。


『〜新イベントのお知らせ〜


ただ今より新イベントを開催致します。

ドライタルとフィーアルに挟まれた山の中腹にて、迷宮が発見されました。

当初、王国の調査団が侵入を試みましたが、入る事が出来たのは探索者のみでした。

それを受け、王国は探索者に対して大々的な調査依頼を出しています。

深さも不明、どの様な敵、罠が潜んでいるかも不明ですが、宝物が隠されている可能性も大いにあります。

ぜひ挑戦し、探索の一助となる成果がある事をお祈りしております。

探索者の皆様の旅路に幸多からんことを』


「いつものごとく分かりにくい……いや春イベよりはまだ分かりやすいけどな」


「一応迷宮ってなってるけど、ダンジョンとの違いはなんだろうね?迷宮って鵜呑みにすると足元を掬われそうだし」


「迷宮とダンジョンの違いって何だったかな……?文も堅苦しいし、もう少し仕様とか書いてあっても良いと思うんだけどな」


「ま、そこは今はもう個性的で片付けられる様になっちゃったからね。それにしても……」


「これNPCは侵入不可ってか?今回はモモに頼るのは無理かあ」


「まあ地道に探索するしかないね。マッピングしないとなあ……」


「そこも含めて醍醐味って事かな」


 この前の春イベの様にざっくりとした概要しか分からないので実際に見ないと何とも言えないか、百聞は一見にしかずだなあ。それにしてもこの前のクエストでの敵基地といい、タイムリーな感じがするな。マッピングの重要性の確認というか、まあ偶然か。今回はモモもいないし、流石にモンスターも罠も少しはあるだろうから勝手は違って参考にはならんか。


「……あれ、このイベントって開始がただ今って書いてないか?」


「あ、ほんとだ。今連絡?」


 ゲームのイベントって大体1週間から2週間ぐらい前に予告するもんじゃなかったっけ?ただ今って動き様がないんだが。


「あー、今別のフレンドから連絡来たよ。これ事前クエストみたいなのがあったんだってさ」


 翔斗によると、数時間前に王国の調査団を護衛するクエストがあったらしい。それを受けたパーティが告知に書いてある探索者の様で、そのパーティも少し入っただけで一旦帰る事になった様だ。クエストに関しては平日だし、そのパーティも受ける事になったのは偶然かな?そして、NPCの偉い人へと話が行ってこの調査依頼という名のイベントになったわけか。


「それにしても、もうちょっと余裕があっても良くないか?」


「本来なら設定の依頼を出すにしても時間かかりそうだけど、まあどんな時間でもすぐに参加出来ない人はいるからしょうがないんじゃない?」


「流石に露骨に差が出るような事は無いか。学校終わったらすぐ行くか?」


「そうだね、坂下さんにも聞かないと……」


 場所的にモモがいなくても俺達だけでクルトとアゲハも連れて行けるだろうな……迷宮に入るかどうかは別として。


「ああ、坂下さんも大丈夫みたいだよ」


「じゃあ、早速入れるか。様子見なら大した準備も必要無いだろうし」


 モモが入れないので、魔法職が坂下さんだけになるから初日から揃うのはありがたい。攻撃担当がいないのは若干不安だが、序盤から必要になる可能性は低いだろうから後々考えれば良いか。

 そんな事を考えていると丁度予鈴が鳴った。昼飯はとうに食っていたので、2人でさっさと教室へと戻る。






「ふーん、そうなのかい。じゃあしばらく暇だねぇ」


「おう、まあ入れないだけで来る事自体は可能だから、何かあったら来れば良いだろ。基本的には一々帰ってくるけど」


 NPCなので入る事が出来ないモモは必然的に留守番になるが……まあ一緒にいない時はちょこちょこ単独行動しているので問題無いだろう。まあ問題と言えばだが。


「探索者に全て頼るしか無いのでな、大した情報が回って来ん。土産話を頼んだぞー!」


「……公務とかはよろしいので?」


「うむ、問題無いぞ!やる事はやったのでな」


 メイドさんがいる時点で終わってるのは大丈夫か。ちょくちょく来ているこの王女様だが、害は無いから良しとするしかないか。土産話といっても今の俺がなっても1番奥までたどり着けるかな、3次職になってから大分レベルの上がる速度が遅くなったし。半年以上経った翔斗が今4次職の条件を満たしているぐらいだからな。あれ、そういやまだサブジョブ決めてないわ、完全に忘れてた。さっさと決めないとまずいなぁ、ちょくちょくWikiとか見ておくか。


「コウー?準備終わったよー?」


「あ、おう今行く!じゃあ行ってくるわ」


「気をつけてな」


「面白い話を頼むぞー!」


 ……いやあ、それは確約出来ないかな。今日はどうせ入ったところで浅いところだし、面白い話もクソもないだろう。

 準備が終わったので集まっていた4人のところへと行き、目的地へと向かう。クルトとアゲハも都合が出来たらしいので一緒に行く事になった。なんでも、PCAの方から依頼が来ていたとか。場所が場所なので簡易的な拠点を作っているらしいが、人手が全然足りないらしいのでフリーの生産職をかき集めているらしい。ボランティアとかではなく報酬はちゃんと用意しているようで大丈夫なのかと思ったが、そもそも依頼出しているのが国だから補助金みたいのが出ているとか。先行したプレイヤーが入ったところ浅いところでも収穫はあったらしくその辺の都合はなんとかなったらしい。

 馬車に揺られフィーアルへ。どっちかというとフィーアルの方が近いらしい。道中遭遇するモンスターはレベル差もあってさっくり倒し、目的地に着き見えたのは岸壁から出ている数メートルはある門と、その手前に広がる村以上町未満な所だった。大勢のプレイヤーで賑わっており、規模はともかく活気は他の町と負けず劣らずだった。


「お知らせが来てから数時間ぐらいしか経ってないよな……?」


「ちょっと小さいだけで町みたいですね」


「通りで人手がいくらあっても足りないわけだ」


 よく見れば建物はほぼ同じ物だが、数が恐ろしく多い。見た目はシンプルだが、よく見ればしっかりとした作りの様だった。PCAの建築部門が色々張り切ったらしい。補助金的なものも出たらしいし、そりゃ派手にやるのも分かるな。クルト達も建築以外にもやる事はあるらしいので呼ばれた様で、PCAの仮所在地へと向かっていった。


「どうする?もう入るか?」


「うーん、でも入り口プレイヤーでごった返しているみたいだし、ちょっと様子見る?」


「まあなんかあるかもしれないしそれも良いか?空くとは思えないけど。コトネさんもそれで?」


「あ、はい。じゃあ少ししたら」


 見て回るといってもな、何か掘り出し物でもあれば良いが。


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