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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第三章 更に先へ、騒動は予見不可
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第四話 練習過程3

終わらなかった……流石に次回の前半ぐらいで終わるはずです。


 「確かにこれなら見やすいな……足場の方も体の方も見えるし」


 【魔力感知】を通してみると、魔力の流れがよく見える。これは他人のは見えないが、自分の体の中にある魔力は見える様で流れている様子がよく見え、とても分かりやすい。体の外へ魔力を漏らす方法はなんとなく分かったので、これをそのまま足場の方へ流せばいいのだが……割とあっさりできた。いやあ、見えるってすごいね。あれだけ出来なかったのがあっさりと。さっさと取得しとけば良かったなあ……魔力関係のモモの意見はなるべく聞く事にしよう、ちょっと舐めてた。

さて、魔力を流した足場だが、モモがやった時の様に破裂する事は無かった。というか、なんとなく不自然なくらい何も無い。意識して魔力を流しているおかげで足場全体に行き渡り、輪郭がはっきりと見える様になった。ここからどう検証しようか。


「うーん?あ、形変えられるわ」


「そうだねぇ、使用者の魔力なら結構自由が効くみたいだ。大きさは変えられるかい?」


「試して……あ、駄目だ。変えられるけどMP消費の度合いが凄い……うわ、大して大きさ変えて無いのに半分減った」


 足場に魔力を行き渡らせたおかげか、形を変える事ができた。結構自由に変えられたが、形を変えていると少しずつMPが消費されていった。更には大きさも変えられるか試したが、ほんの少し大きくなった気がしたところでMPが大量に消費されたので急いで止めた。形は何とかなっても大きさは無理か。魔力で変えるより、最初から大きく足場を作った方が効率が良いのは当たり前か。けどこのスキル、一応は空を走るためのものだからそんなにでかいのは作れなさそうなんだよなあ。そもそもそんな大きさの足場を作ろうとしたところでちゃんとイメージができるかどうか。歩きやすさ以前に足場が維持できなきゃ意味が無い。


「じゃあ足離してみるか」


「……すぐ拡散するかと思ったけどそうでも無いねぇ。思っていたよりペースが遅い」


「これのおかげで維持できたりするかな?」


「やってみないと何とも。なんかしてこれから意識を離してみれば?」


「なんか……1周周って来るわ」


 というわけで屋敷を走って1周。視界からも外れ、走っていれば普通に足場への意識は途切れる。これで足場が残っていれば大成功なんだけどなあ……さて、どうなるか。


「ハァ、どうだ?」


「多分大成功だよマスター。マスターが余計な事をしても、これへの意識を離さないぐらいの精神力があるなら別だけど」


「流石にいくら慣れたとしてもそれは無理だぞ。という事は魔力で維持が可能か?」


「そうなるね。まさかこんなに都合良く上手くいくとはねぇ……」


「そうだなぁ……まあ俺としてはここまでの手間が全部報われたからありがたいことこの上ないけど」


「そりゃあ良かったねぇ。付き合った甲斐があるってもんさ」


「大体モモの助言のおかげだからな……これどのくらい持つと思う?」


「んー、今のこれはあと20秒くらい?結構魔力こめたみたいだね」


「4分の1ぐらいは流したかな。これなら足場の維持自体はほんの少しのMPで良いみたいだな。移動するための物なわけだし」


「流す分量については、まあマスターの好みで良いんじゃないかね?後はマスター次第さ、何かあったらまた手伝うけど」


「ああ、ありがとう。切りも良いし今日はもう休むかな」


「今日は本当にする事も無かったし別に良いさ……お疲れさん」


「おう」


 いや、今日は本当に収穫があった。モモにアドバイスを頼んで良かったなあ、詳しい事は要検証だが多分これで格段に楽になるはずだ。エクストラスキルって単独で完成して無いのかな、まあ完成というかエクストラモンスターの特徴の1部をスキルにしているわけだから必ずしも使い勝手が良いわけでは無いということか。もしかして【貫牙剣(アウラ)】も何か組み合わせ要素があるとか、一応【朧流し】と併用できたし…………思いつかないから良いか。明日は連続で足場を作れるか試さないとな。はー、光明が見えてきた。空中散歩とか出来るかな。






 練習5日目。昨日はモモのおかげで【空走場(アハルテケ)】使用における先行きが明るくなった。これ1週間ぐらいで何とかなりそうだなー。完全に解決したわけじゃ無いけど、懸念事項が1つ何とかなったから気持ちがとても楽である……まさかここで同じ様な壁に当たる事もあるまい。さて、練習しようそうしよう。


「ふぅ、じゃあ【空走場(アハルテケ)】っと……足場ヨシ」


 エクストラスキルを使用し、1歩目となる足場を作る。今回は昨日学んだ通り、魔力を少し流してみる。まずは……数値で言えば10くらいかな。足を離し、足場への意識を薄くする。形をはっきりイメージする事で多少は維持が楽になったとは言え、それでも結構意識しないと足場が消えてしまうから、消す事事態は楽に出来る。そして、ウィンドウの時間表記を利用して、足場が保っている時間を計測。この時間表記、秒単位まで表示してあるから便利だなあ。ストップウォッチ機能は無いみたいだが、そこまでやるとこういうゲームだと不都合があるからだろう。お、足場が消えた。


「大体10秒ぐらいか……?MP1につき1秒持つのかな、分かりやすくてありがたいが……一応色々試してみるか」


 MPポーションは事前に何本か準備しているのでMP消費については問題無い。流すMPを1や100など色々変えながら試していく。結果としては予想通りMP1につき1秒持つ様で、とても分かりやすくありがたい。まあ燃費としては良いのかどうかは実戦とかで試してみないと分からないが、そこら辺はMPを伸ばすなどして補うとしよう……MPの上限を上げるアクセサリーとかあったっけな?流石にそこまでしなくて良いか、今のMPでも最大500秒は持つんだし。1歩につきMP2を消費したとしても250歩。まあ空中散歩する時はMPポーション持ってけばいいし……MP関係の装備は要らないな。


「さて、今日は歩けるぐらいにはならないとな。ほいっと」


 足場を作っては魔力を流し、次の足場を作る。とりあえずこの流れに慣れるためにゆっくりやっているのでMPは10ほど使っている。足場を1つ作るだけなら慣れたもので魔力で維持している事で十分作業をこなせる。調子に乗って、2階の自分の部屋まで行ってみようとしたところ、なんか出来た。


「あれ、ゆっくり行ったとはいえこんな楽に出来た……?魔力すげぇ」


 その後も少し続けたが、ゆっくり歩く分には問題無く出来る様になった。このまま多少駆け足ぐらいにまで成長できる様になりたいものだ。


 練習6日目。肩慣らし代わりに歩いてみたが、昨日の経験を忘れたという事もなく、ゆっくりと歩く事が出来た。ここから進むスピードを上げていきたいが、どこまでいけるやら。とりあえず、足が地面についたらやり直しというルールを決め、20mほどの線を引く。足をつかず無事に20m行くことが出来たら、まずは及第点とする事にした。こういう時、屋敷が広いって良いよね。20mの線を引いてもまだ余裕があるのは改めて豪邸だなあと実感する。ゆっくり歩くのはもう大丈夫なはずなので、次は普通に歩く速度でどうなるか。速度を上げるので使うMPは5ぐらい。


「おっ、ととっ…………あ〜」


 10mまでは進めたが、歩くスピードに足場を作る速度が追いつかず地面に落ちてしまった。普通に歩く速度でこれじゃあ、いざというときに何にもならん。こう、バッと作れる様にならんと……慣れの問題かなあ、まあ反復練習しかないかな。そうして繰り返していくと少しずつ歩ける距離は伸びていった。散々繰り返していけば慣れるもので足場を作る速度も心無しか上がっている様な。足場の維持に意識を割く必要が少なくなったので作る事に重きを置ける様になり、その分練度も上がっているのかな。今日は普通に歩く速度で20mを渡り終了。

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