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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第一章 少年は舞台へ、歯車は揃いゆく
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第五話 リザルト


「ギュゥ…………」


「ハァ……ハァ……」


 えー、あれから約1時間が経過しております。片や左腕を失い折れた剣でちまちまと攻撃するプレイヤー……すなわち俺、片や自慢の前歯で攻撃しようとするが避けられて、ちまちまと反撃されHPが相当減ったであろうハムス……エクストラモンスター、アウラさん。集中してればなんとか避けられるようになってきた攻撃だが眠い!疲れた!……大分HP削れたと思うんだけどなあ。わりと弱ってる感じがするし。ここまで来ると仕留めたい……最初から負けるつもりはなかったけど……第2段階とかないよな?流石にないよな?エクストラモンスターなだけでラスボスとかじゃないんだから。


「ギュッ!?」


「隙ありぃ!」


 おっ、しめた!相当疲労溜まってたか!こちらに攻撃しようとしたアウラは踏ん張りが効かなかったのかそのまま滑って転がっていく。絵面だけだと普通のハムスターに見えるのだけどなあ……いや立派な前歯と綺麗な歯並びのせいで見えなかったわ。目つき鋭いし。

 偶然にも転んだアウラの近くに折れた剣の先端があったので、今持っている剣を口に咥え、それを拾う。体勢を立て直そうとしたアウラの目にそれを思い切り振りかぶり、駆けた勢いも加え突き刺す。


「ギュゥゥゥゥ!!!」


「さすがに目は柔らかいかぁ!」


 いやー、本当に刺さってよかったわ。折れた先端の方だから思い切り刃の部分握ったせいで右手痛いし。あ、ちょっと血のエフェクト出てるわ。結構ダメージ入っただろうけどまだ足りない。一か八かだ、目に剣が刺さったことで暴れ回るアウラに飛び乗る。


「ロデオは、したこと、無いんだ、けどなぁ!」


 馬じゃないが似たような状況、アウラが痛みでひっくり返ったりしないのが今のところありがたい。しかし片腕がないせいで踏ん張りが効かないが、落とされないように足に力を入れる。口に咥えていた剣を持ちアウラの脳天に思い切り突き刺す。


「そろそろ、倒れろ……!」


 さらに暴れ回るがなんとか足でしがみつきながら剣に力を込める……数分か、あるいは数秒しか経ってないかは分からないがついにアウラが動きを止め、横に倒れ込む。その勢いで俺もアウラから離れてしまうが起き上がりアウラの方を確認すると粒子となって消えていくアウラの姿があった。


『Exモンスター 【☆1 貫牙鼠 アウラ】が討伐されました』


『MVPはplayer name:コウです』


(『コウにExスキル 【貫牙剣(アウラ)】が贈呈されます』)


「あ"ーーー!倒したーーー!疲れたーーー!」


 いや、本当に疲れた。かれこれ3時間以上戦ってたんじゃないか?買ったポーションも尽き、あのハムスターのせいで折れない仕様になっているはずの剣が折れ、左腕がなくなったがまあ上々だろう。ゲーム開始初日にオンリーワンコンテンツに触れられたのは大きい……!とりあえず明日友人に自慢しよう。あいつエクストラモンスター倒したことあるのかな?……まあいいや、そうだエクストラスキルとやらを確認しよう……あ、レベル結構上がってる。


Name:コウ 

Level:23

Main job:剣士

Sub job:なし

HP(体力):10000

MP(魔力):220

SP(技力):460

STR(筋力):570

VIT(耐久力):300(+2)

AGI(敏捷):700

DEX(器用):530

INT(知力):100

LUC(幸運):120


Exスキル

貫牙剣(アウラ)


武器:普通の剣

所持金:2150G


称号:[Exモンスター討伐者]


 いやあ、結構ステータス上がったなあ。実際には数値ほどは上がってないだろうけども。あとなんかステータスに色々項目が増えている……エクストラスキルはそのまんまだろう。これスキル名の読みはモンスター名なのか。あ、押すと詳細出るのか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

貫牙剣(アウラ)

消費SP:150

効果:装備している剣系統の武器の攻撃判定部分に200秒間『防御貫通』効果を付与する。

クールタイム:効果が終了してから600秒



それは生まれた時から特異だった。他の兄弟よりも体は大きく、色も違い、何より強靭な牙を持っていた。いつしかそれは独りになっていた。それは独りで生きて行ける力があった。その強靭な牙で敵を屠っていった。いつしかその牙は全てを貫く矛となっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 うーむさすがエクストラスキル、星1のモンスターでも結構強力だな。防御貫通ってことは攻撃時に相手の防御……VITとかをを考慮しないってことじゃないのか?プレイヤーの場合武器や防具なんかをすっぱり切れるってことかな……いや多分防御を考慮しないだけで俺の武器の攻撃力や強度によっては残念なことになるかもしれない。とりあえずは要検証だな。翔斗に付き合ってもらうか。タンクだから丁度良いだろ。付与されるのが攻撃判定部分ってことは仮に斬撃を飛ばすスキルがあっても、その斬撃には効果が付与されないのだろう。素早い相手の場合、避けられ続けば全く意味のないことになる。そこの辺りも立ち回りを考えないといけないのか。刀身を長くすれば…………いや、本末転倒なことになりそうだからやめておこう。疲れて頭が回らないから後にしよう、うん。消費SPは150と多めだがスキルの効果やクールタイムを考慮すると妥当な感じだと思いたい。最後に下のテキストはアウラのエクストラモンスターになった経緯かな?読んだ感じとしては突然変異だかなんかだろう……ともかく!無事エクストラモンスターの討伐に成功してよかったわ。開始一日目でこんな出会いがあるとは。少し休んだおかげで体力も少し戻ったし、ツヴァイアットの宿屋でログアウトしよう。HPは回復する仕様みたいが、左腕治るのかな?そう思いながら立ち上がりツヴァイアットがある方へと歩き出し……見えない壁にぶつかる。


「ぶへっ!」


 え?あれ?なんだこれ、進めない……フィールドボス倒さないと進めない仕様だけど、俺フィールドボス倒して……とどめを刺したのはアウラ…………いや待って!あれフィールドボス倒した判定にならないの!?とどめ刺したのアウラだけどさあ!俺あの狼のHPほとんど削ったよ!?え、もう一回!?この状態で!?おいコラ、クソハムスターーー!


「仕様ぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっっっ!!!」


 ……なおもう一回やったらレベルの暴力とエクストラスキルで余裕で倒せました。左腕無いけど。アウラの動きに慣れていたのも大きかった。防御貫通マジ便利だわー、折れた剣でもサクサク切れたわー。サクサクっていうかこう、首がスパンと。折れてるから何回か切る必要があったが、出血の勢いもありすぐに倒れた。ツヴァイアットに着いたので今日はもう終わり!疲れたので俺は寝るっ!



Exスキル表記はアナウンスだけです。

アナウンスは戦闘に参加した人のみに聞こえます。

(『』)は個人アナウンスで本人にしか聞こえていません。

しばらくの間毎日投稿します。

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