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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第二章 春だ!桜だ!春寒料峭。
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第十七話 MPに余裕のある魔法職は便利


「ここがゼクシールかあ」


 ゼクシールはテレビで見たことのある砂漠にある町の様だった。実際その通りなので、雰囲気を楽しむと言う点ではこれ以上ないだろう。てか、暑い。もう日が沈見かかっているというのにまだ暑い。まあ、少し気温が高く感じるだけだが汗が出ているような感覚もあり、不快感がある。流石に実際には汗は出ていないのだが、感覚があるだけでも、結構違う。


「暑い……」


 モモが暑そうだ。プレイヤーは体感はゲームの範囲で調整されているが、NPCは確かにそのまま設定通り影響を受けているか。


「暑いの苦手なのか?」


「苦手っちゃ苦手だけど……そもそも来ないから慣れてない。この町に用事有った事ないし、暑い時は魔法使ってたからねぇ……」


 あー、町の中だと基本的にというかあからさまに魔法は禁止されてるからなあ。モモの隠蔽はバレてないし、使ってもらった方が面倒事は少なくなるだろうし。一応町には入ったが、今回は素材集めをしなくてはいけないのでさっさと砂漠側のフィールドへと出る。観光は後でできるからね。いつもならクルト達は町で分かれるのだが、モンスターの素材はともかく、生えてるアイテムなどは人手が多くて困る事はないのでそのパーティのまま外に出ている。暑さに関してはモモが魔法で何とかしてくれたおかげで、何とも快適なものとなっている。MPの消費に関しては隠蔽のものよりは多いらしいが、数時間程どころか数日余裕で持つそうなので万が一モモも必要な戦闘があっても安心だ……モモの総MPってどうなっているんだろうな。レベルカンストの魔法職ぐらいは最低でもあるんだろうが、身体能力はともかく、重要NPCなのでそんな範囲では無いと思うのだが……ステータス見せてくれないんだよなあ。称号の欄関係かな、いや数値だけ聞けばいいのか、後で聞くか。

 砂漠で集めるものは、サボテンだったり鉱石だったりモンスターの素材だ。何か1つだけ浮いてる気がするが、なせサボテンが必要なのかはもちろんちゃんとした理由がある。サボテンそのものが必要なわけでは無く、サボテンを材料にした薬品が必要なのである。別に他の同種のものでも代用できるらしいが、サボテンを利用したものが1番効果が高く、作成難易度が下がるとか。このフィールドで他に集めるものもあり、プレイヤー間ではある意味必須扱いになっている。

 一気に2つフィールドを進んだこともあり、中々モンスターが倒しづらくなっている。耐久力が高いモンスターが多いのもあり、時間がかかる。エクストラスキルは使えば多少は楽になるだろうが、クールタイムが長いので、一時楽にするよりはエクストラスキル無しの戦闘に慣れた方が良いと思ったので使ってはいない。定期的にモモがバフをかけてくれているので少し楽になっている。そして、必要な素材の1つがレアドロなんだよなあ。幸い必要な数は少ないが、出ない……少し前のオークの肝を思い出す。それよりはドロップ率が低く、ちゃんとした出ない理由があるので精神的にまだ楽だが、なんにせよ早く出てほしい。






 あれから30分、なんとかレア素材もドロップし、別行動だったクルト達も集めて戻ってきた。これでイベントアイテムの作成に必要な素材は集まった。日が沈んでから少し時間も経ったので暑さもマシになったのか、モモの魔法もいらなくなった。このままレイヴンさんに頼みたいところだが、あいにく今日はいないそうだ。明日ならいるそうなので、錬金術が必要な段階までは進めておきたいと、クルトは馬車に乗って屋敷へと戻っていった。1人ではアレなのでアゲハも一緒に帰って行った。ショウは相変わらず先の町へ用事があると行ってしまった。いつも先の町へ行ったりしているが、結構先まで行っているんだなー。

 まだ時間もあるので3人で町を見て回ることになり、色々と見て行くがそれほど大したものはなかった。そういえば砂漠や火山があると言ったが、次の町に行くには砂漠を越えてボスを倒すだけですむ。その先が火山というわけではなく、横に逸れて進むと火山地帯があるみたいだ。ボス自体はいないが、その代わりなのか、山頂というか頂上の火口には、星5のエクストラモンスターが住んでいる。前に複数パーティ合同で倒そうとしたら、あっという間に消し炭にされた話をしたが、なんとそのモンスターらしい。ちょっかいを出したり、あまり近くで騒がしくしなければ大丈夫だそうで、探索したり、生息しているモンスターを倒したりするぐらいは全く問題無く、割とプレイヤーは訪れているようだ。今度行ってみたいが、暑さ対策はどうしようか、モモの魔法は砂漠ぐらいならまだしも、火山地帯ともなると消費が激しいので別の方法を考えないとなあ。


「モモは住んでるっていう奴と面識あるのか?」


「面識というか会った事はあるけどねぇ……あの竜私達が生まれる前から生きてるし、それに見合った力もあるから厄介なんだよねぇ」


「そんなに強いのか?」


「ガブリエルを余裕で倒せるって言ったら分かるかい?」


「強すぎない?」


「そんなもんさ、アレは。マスターも馬鹿な考えはやめなよ?」


 いや、やらんわ。ガブリエルを余裕で倒せる相手に突っ込んでいくほど馬鹿じゃないつもりだ。しかし、その馬鹿は少なからずいるそうで、たまに勘違いや自分の力を突っ込んで過信したプレイヤーがちょっかいを出すようだが、呆気なく死に戻ってくるようだ。定期的にそんなことがあるなら怒って町とかに報復しにくるんじゃないかとコトネさんが心配していたが、長く生きているだけあって、知能も高く、またプレイヤー……探索者の特徴も理解しているだろうとのことなのでそういう事は無いんじゃないかとモモが言っていた。まあ基本的に害が無いなら安心……か?話を聞いていると星5はほぼフレーバーで倒せるように作られてはいないと思えてくる。エクストラモンスターは遭遇出来る確率が恐ろしく低いからなあ。序盤で遭遇した俺の運もすごいが、複数体倒しているアポロさんもすごいだろう。2体目とか会わないかな、できれば万全な時に。






 はい、水曜水曜。クルトと一緒にレイヴンさんに作成依頼にPCAに来ましたよ。嫌な予感がしたんだ。そしたらそれは当たっていたそうで、いつの間にやらこの前の如く長話が始まってしまった。2人ともとても楽しそうに話しているので邪魔するのも申し訳なかったが、数時間待つことになったのはどうなのか。もうクルトに任せてどっか行こうかと思ったが、一応ちゃんと依頼するのを見届けたかったのでレイヴンさんの作業場の端っこでお茶を啜っていた。流石に暇なので外部サイトを見て時間を潰したが。たまに話を聞いていたが、リアルの製法をどうこのゲームに取り込むかをちゃんと話していたのですごいなあと思っていた。クルトの知識がとても偏っている気がするが、趣味の事だし、自分が口出しすることではないので気にしないでおこう。そして話が終わったのは、区切りが良かったからでは無く、もうログアウトする時間だとアゲハが訪ねて来たからである。ちなみに記録は3時間44分。話の区切りが悪いとごねていたが、クルトはアゲハに引きずられて屋敷の方へと戻っていった。ちゃんと必要な素材は全部渡し、無事依頼することができた。まあ作成には多少時間がかかるそうなので、受け取りは明日以降だそうだ。イベントのストーリーも大詰めな気がするので、進めるのは時間が取れる週末に予定しているので十分に時間がある。果たして結末はどうなるやら。

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