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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第二章 春だ!桜だ!春寒料峭。
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第六話 いんてりあこーでぃねえと


 さて早速ログイン。目を覚ますと部屋の中に用意していた椅子にモモが座っていた。


「起きたのかい?探索者は生活リズムが不安定だねぇ」


「とりあえず、なぜ部屋の中にいるんだ」


「暇なもんで、寝顔を見るぐらいしかやることないんだよねぇ。この前は人間味があったけど、さっきまでは微動だにしないから気持ちが悪かったね」


 勝手に部屋に入ってきて人の寝顔を観察した結果が気持ち悪いかよ。この前というと、ウリエルに受けたダメージのせいで気絶状態になった時か?微動だにしないってログアウトしていた時は体は残るけど中身がないからだろうか。まあ勝手に動いていたらそれはそれで気持ちが悪いというか気味が悪い。体が残るのは何かイタズラや嫌がらせが起こりそうなものだが、単純に寝てる状態ならともかくログアウトしている時にはプレイヤーは触れず、NPCはそういう思考にならないなどちゃんと配慮がなされている。ちなみに気絶した際などの待機空間だが、状況が分からなくなるのはどうかと思うので幽体離脱みたいな感じにしてくれないかと言う要望が何件か出たらしいが運営が、気絶してんだから状況なんざわかるわけないだろ馬ー鹿!(意訳)と初めてキレたらしく、要望を出したプレイヤーは一気に静かになったようだ。運営の言い分はド正論だがなぜそこでキレたのか。その他にも色々とこだわりがあるそうだがどれもそういえばその通り、なものばかりでそういう運営として認識されているとか。まあとにかく個性的デスネとしか言いようがない。


「というかこの部屋ベッドと椅子と雑なテーブルしかないじゃないか。いくらなんでも殺風景過ぎないかい?」


「あー、そうだな、そろそろ色々整えるか」


 集めた素材はクルト達に既に渡しており、今も制作中である。生産系のスキルが無くても手伝えることはもうなくなったのであとは2人に任せている。1週間後の春イベントまでは、先の町へと進んだりレベル上げだったりとすべきことはあるが、したいことは無いため、ちょうど良い機会だろう。この豪邸に住んでる割に足りてない物が多すぎるので集めていこう……自分のものはまだ良いが共有の物はどうしようか。モモは……センスがどうなっているのか分からないし……あ、コトネさんログインしてるわ、暇だったら頼もう。部屋にいるかな。コトネさんの部屋方へと向かい、扉をノックする。


「コトネさんいます?コウですけど」


ドッッシャァン!!!


 ……何の音!?軽く揺れたけど!?


「だ、大丈夫ですか?」


「しょしょ、少々お待ちください!!!」


「……タイミング悪かったか」


「さあ?何してたんだかね」


 そのまま数分待つと扉が開いた。


「お、お待たせしてすみません……何の御用事でしょうか?」


「いや、急に訪ねた俺も悪かったので……いやほらそろそろこの家の調度品やら揃えようかと思って、暇だったら一緒にどうかと」


「そ、それは良いですね!優先する事もないのでお、お供いたします!」


 いやお供って。まあいいか、予定とかは本当に問題なさそうなので3人で外に出る。


「さて、どこに行くんだい?馴染みの家具屋でもあるのかね」


「馴染みじゃないけど品揃えはいいところは知ってるからそこかな」


「確かにあそこなら大体揃いそうですね」


 というわけでベッドやらを買ったPCAの建築部門へ。家具を売っているだけあって建物は大分大きい。ジャンルごとに商品のサンプルが置いてあり、さながらリアルの大型家具量販店の如くだ。


「とりあえず何を見ましょうか?」


「そうですね……そういやモモ家具とかいるのか?」


「そうだねぇ、せっかく部屋もあるんだし少しは文明的な生活でもしようかね?……良いのかい?」


「そのぐらいなら別に良いだろ。好きに選べー、あまり高いのはあれだけど」


 というわけで最初にそれぞれ個人用の家具を買うことに。片方悪魔だが女性2人は何やら話しながら色々と見て回っている。最初にまとまった金額を渡しておいたので問題ないだろう。いざという時はコトネさんに払ってもらって後で渡せば良いし。そういえばちらほらNPCを見かける。プレイヤーの店でも普通に見かけるのがこのゲームらしいところだよなあ。店員は大体NPCだから会話も円滑に進んでいるみたいだし。さて俺は何を買おうかな。ベッドはてきとうに買ったものだが安物では無いので満足はしている。まあまともな机やら椅子やら買っておくかと思い、その辺のスペースへ……結構種類があるなどうしよう。


「へえ、色々機能ついてたりするのな」


 なんか細かいギミックみたいなのがついてたりするのもあって意外と面白い。あ、これ結構時間潰せるわ。生産系、思っていたより自由なんだなー。金はあるので機能盛り沢山なタイプを買いそうになるが、実際使うかどうか分からないので悩む。ぶっちゃけ家具を揃えたところで見栄えをよくするぐらいの理由しかない。


「まあ、いっか!」


 金はある、ここはゲームなので節約も気にする必要ない、というかこういうものこそ妥協しちゃダメだよね。見た目は無難なので部屋で浮かないし大丈夫だろう、うん。最初に机を買ったのでそれに合うように椅子などを買っていく。ロッキングチェアがあり、ちょっと憧れもあり買おうとかと思ったがあんまり合わなそうなので諦めた。色々買ったしこれだけ買えばちゃんと人が住んでる部屋っぽくなるだろう。あとは……植物?いや、水あげないと普通に枯れそうだから、世話するのを忘れそうだからやめよう。置くにしても応接室ぐらいにして共同で世話することにしよう。これで……あ、カーテンカーテン。カーテンレールがあったから有効活用しよう。よし、無地のこれ、終わり!さて、2人はどうかな〜。

あ、いたいた。


「おーい、2人とも」


「あ、コウさん、すみませんまだ……」


「いや別に大丈夫ですよ、2人分ですしね」


「あ、マスター悪いんだけどもう少しお金くれない?」


 あ、足りない?何にどのくらい使ったの……ああ、そりゃ足りないか。とりあえず最初に渡した……いや面倒だから10倍ぐらい渡しておこう。


「適当にな」


「ああ、ありがとう」


 さて、まだかかりそうだしどうしようか。ああ、そうだ植物と防犯。植物はコトネさんは……あ、良い?あとショウはやらせるとして、クルト達は後でいいか、4人いればたまに水やるだろう。植物は花屋か?あ、ここで売ってるわ。しかもそれっぽいのばっかり。


「ええと……これでいいか」


 なんかおすすめって書いてあるし、水は週一でいいのか、しかもコップ一杯。良し、これで。後は防犯だけどなー、どうしようか。そもそもどの程度付ければいいのか……流石にここにはないのか。てきとうに店員を捕まえて聞いてみると防犯とかそういう類は錬金術系統だと。場所を聞き、コトネさん達に一言断ってからそこへ向かう。意外と離れてるな、っていうか王都の反対側……遠い。そうだ高級地を突っ切ろう。こういう時便利だな。目的地に到着、中へ入ると、商業用らしきスペースがあったのでそちらへ、カウンターにいるNPCに話しかけ色々聞いてみると、なんと屋敷用の防犯対策みたいなセットが売られていた。願ったり叶ったりでパンフレットまであった。なんでも意外と需要があるそうで、王都で無くとも他の町で共同で拠点を買うプレイヤーは多く、怪盗系のジョブがあるためたまに盗難被害が出たりしているため念のためという意味で売れているとか。マッチポンプとかじゃないよね、まあ無いか、拠点の規模によって大分値段も変わるから基本意味なさそうだし。まあこれで今の懸念事項は終わりかな?


「王女様とかまた来るのかな……」


 茶菓子とか……今日はもう遅いしいっか。防犯設備はそれぞれの建物に応じて調整してくれるため設置3日後だそうで、前金を払って終わり、ちょうどコトネさんから買い物が終わったとの連絡が入ったので屋敷へと帰る。共用の家具とかも任せたけど早かったな、自分の物だから時間がかかったのだろうか。途中で2人と合流した。


「あ、マスター金ありがとうね」


「あ、いや持っといていいぞ何があるか分からないし」


「そう?なら遠慮なく……」


 買った家具は大した数では無いので3人で適当に置いていく。大きめの物もあるがステータスのおかげで1人でも難なく持てるからさくさく設置できる。リアルでもこのぐらい持てると楽なんだがなあ。それぞれの部屋も終わり解散。モモはいつのまにか本も買っていたみたいで、自分の部屋へと戻っていった。

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