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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第八章 天は高く、奔走せよ
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第十五話 新たな仲間(多い)


 2日後、アポロさんからウリエルが目を覚ましたとの連絡が来た。正確には、ウリエルの目が覚めた事に気づいたクローナがたまたま屋敷にいたアポロさんに言伝を頼んだという形だそうだ。連絡が来ていたのは朝の6時……いつから起きているのだろうか。健康上よろしく無い感じがプンプンするけど……まあ体調管理が出来ていなければ、こうも早くからプレイ出来ないだろう。そういう意味ではショウも意味が分からないが。

 俺は起きた後に連絡を知ったので、身の回りの支度を済ませた後ログイン。ログインし ているプレイヤーはアポロさんの他にショウと俺だけなので、そんな大した話もしないだろう。


「あ、来た来た」


「早過ぎだろ……どうなってんだ」


「いや今日は復習してた時だから……流石に毎日起きてる訳じゃないし」


「うわあ、よく朝から勉強出来るな……それで?」


「部屋にいるってさ。来ても大丈夫って言ってたから……行く?」


「まあその為にログインしたからな」


 階段を上がり、ウリエルを運び込んだ部屋の方へ。入っても大丈夫との事だが、一応ノックはしておく。何をしているかは分からないからな。


「……マスター達か、入って良いよ」


 ドアも開けずにモモから返事が来た。どうやってと一瞬思ったが、まあ魔法だろう。モモならそっちの方が速いと言われれば納得できる。

 中に入るとモモとクローナは椅子に座っており、ウリエルは体を起こしていた。思っていたよりも元気そうだな。


「あ、おはようございます」


「おはよう……あー、調子はどうだ?」


「はい、問題ありません。お姉様からは最低でも今日1日は安静にしている様に言われましたが」


「それはそうだ」


 重傷(俺による)な上に、ミカエルの天秤の影響もあったんだし、様子を見るのは必要だ。天使は結構丈夫な様だけど、2日で回復するのは設定通りなのか、ゲーム的省略なのかは判断しづらい。という訳で安静にしていてもらおう。この様子なら後遺症があるという事も殆ど無いだろう。


「それでそちらは?」


「ああ、ショウです。ベルフェゴールの契約者です」


「ベルフェゴールの……なるほど。ご存じかと思いますが、ウリエルと申します」


 ウリエルはショウの話を聞いて意外といった顔をした。昔のベルフェゴールしか知らないならそういう事もあるのだろうか。ちなみに今ベルフェゴールがショウに引っ付いていないのは、ウリエルに会うのが面倒だかららしい。特に何か確執がある訳では無く、普通に面倒なんだろうな。

 とりあえず見て聞いた感じ、問題は無さそうだな。それもこれも倒した後に対処してくれたコトネさんと補助のモモのおかげか……後で何か労いでもした方が良いだろうか。


「そういえば、神器は大丈夫なのか?」


「はい、まだ使ってはいませんが、ミカエルの影響は全く残っていません……ただ」


「ただ?」


「接続が切れたせいか、本来の出力は出せそうにありません。それに情報の開示制限もお姉様方と同じレベルになったかと」


 予想通りといえば予想通りだな。どうせミカエルの仕業だろう。モモ達と同じレベルなら困る事は無いから、別に良い。味方が増えたとすれば得しかない訳だ。

 その後は少し話をした後、ログアウトした。流石にこんな時間からゲームをする訳にはいかないし。諸々のすべき事を済ませ、再度ログイン出来たのは午後になってからだった。

 ログインすると、屋敷のメンバーは全員ログインしている様で、何人かはウリエルの所にいる様だった。安静とはいえ普通に元気っぽいし、話すぐらいなら大丈夫か。何もしないのはきついもんだ。

 とりあえずもう1回様子を見に行くかと思い足を向けようとすると、玄関の方から物音が。入った感じからして来客の様だ……誰かは完全に予想出来るな。


「うむ、出迎えご苦労」


「普通に来たな」


「4回目ともなれば分かるじゃろ」


「そうだけどな」


「一応聞くが、大丈夫よな?」


「あー……多分」


 来客の正体はシャーロットとメイドさん。ウリエルがいるんだから、まあ来るよな。とりあえず部屋の前まで連れて行き、入っても大丈夫かと尋ねると、大丈夫との事だったので入る。

 シャーロットが入るなり、モモとクローナがウリエルに対して王族の説明を始めた。それは必要だな。


「アルカディアの生き残り……なるほど。確かに殲滅と言っても割と雑でしたからね。ミカエルやカシエルが聞いたらブチ切れそうですね……」


「何とも不穏じゃの……」


「意外とザルだったんだな」


「まあ直接言わなければ、気づかれる事は無いでしょうし、大丈夫でしょう……今まで分からなかったのが証拠ですね」


「それなら良いんじゃがの」


 若干不穏な事を言っていたが、確かに言わなければ分からないか。シャーロットもこちらも話せる事は一通り話していき、認識の擦り合わせは済んだ。認識というか、天使がNPCを滅ぼそうとしていて、それを止めないといけないというぐらいだし。NPCがウリエルを害する理由が無いからな。


「それにしても、天使側も色々と……口伝では人を導く崇高な存在とか言われてたんじゃがの?」


「いや、作りが違うだけですからね……」


「大して変わりはありませんからね……悪魔は変質し過ぎていたりしますけど」


「いや下の連中は基が違うし……」


「ふむ?まあとにかくウリエル殿においては味方……では無くとも協力的なだけありがたいがの。問題は大元であるミカエルじゃったか?」


「あれはな……どう攻略したものか」


「為す術無く地面に這いつくばらせられたんだって?」


「そうそう、どうしたもんだか」


「そんなにもか……何か策は無いのかの?」


「思い当たればやってるし……まあルシファーだろうねぇ」


「またか」


 至る所でルシファー、これでもかというぐらいにフラグが立っている。それに悪魔も後2体見つかっていないし……まだ色々足りないな。


「こちらでも探してはおるがの……何処にいるのやら」


「どうせ上手く隠れてるだろうから、魔法でも探し様が無いねぇ……」


「地道に見つけるしかないのかあ」


 イプシロンさん達他、手を組んでる大手クランも捜索しているらしいけど、進捗ゼロだとか。無理矢理時間がかかる様にしてんのかな。

 とりあえずウリエルに関しては一通り話を聞けたので、シャーロットは菓子を食って帰って行った。その後はイプシロンさんの所に報告に行ったが……まあ大した事は無し、少し羨ましがられただけだった。流石にウリエルとベルゼバブは交換しない……食費がね。






 翌日、ウリエルは完全に復活した。服はボロボロだったので、アゲハにより渾身の作が提供……クローナの2Pみたいなものだったけど。多分色々と違うのだろう。

 その後、当の本人はコトネさんと一緒にいる事が多くなった。やはり助けるか上で大きく貢献した事が影響したのだろうか。素材集めにしろレベル上げにしろ、ウリエル(たまにプラスアポロさん)は心強いな。ベルフェゴールといい、ウリエルといい直近で2人も増えた……NPCだけど。屋敷で本当に良かったな。


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