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Arkadia Spirit  作者: アマルガム
第四章 奥へと迷走、探索は着々と
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第二十五話 白虎


 学校から帰りログインする。目を開けると特に変わりもなく薄暗い部屋の中だった。まあ場所が変わってるわけもないよな。少し離れた所にアポロさんのアバターもある。この体が残る仕様大丈夫なのかな悪用し放題だけど。

 約束した時間よりも結構早くログインしたわけだが、まあアポロさんが来る気配は無い。持ち物のかくにんもしたが、数分で終わるので大分暇だ。HP、MP、SPも全回復したし。えっと、後1時間……あれ?


「あ、こんにちは……」


「こんにちは……早いですね?」


「時間単位で早く行動する癖が……?」


「いえ、たまたま都合がつく様になったというか」


「そうですか」


 色々気になるが、まあリアルの事を詮索はあまり良く無いし止めておこう。同年代位かなと思ったが意外と大学生とかそれ以上なのかな、時間の都合とかやりやすいみたいな話を聞いた事ある様な無いような……情報の正確性がゴミだから考えない様にしよう。


「えっと、どっちから行きます?」


「質問で返してすみませんがコウさんの方は……?」


「いやあ、本当にどっちでも……」


「じゃあ白虎の方にしましょう」


 反対する理由は皆無なのでそちらの方へ。一応理由を聞いてみたが、大した理由は無いそうだ。まあ順番やら何やらが関係あるのならどっかにそれっぽいヒントがあるだろうし、今まで見回ったけどそれらしいものは無かったからな。

 そんな感じで白虎のいる部屋へと着く。見た目は完全にホワイトタイガーというかそも名前が和訳だもんなあ。何というか四神の中で白虎だけ普通なんだよなー。朱雀は鳳凰だったりここのは炎を纏ってたし、玄武は蛇生えてたし。残る青龍はそもそも龍だしなあ。

 こちらに気づいた白虎は起き上がり、こちらを注視しながら歩き始めた。


「どう来るかな……」


「一応白虎が対応している属性は金ですが」


「へえ、金」


 金、金って何だ?まあ金属の金とか何だろうが、どう攻撃が来るのやら。虎といえば電撃でも放ってきそうなイメージなんだが。


「とりあえず今まで通りですね」


「そんな感じで」


 これまでの2戦通りに二手に分かれる。さてと、どっちに来るかな……こっちぃ!?てっきりアポロさんの方へ行くかと。まあ来たからには対処しないと。

 白虎が繰り出してきた攻撃は爪による攻撃だった。警戒していたのでそれなりの余裕を持って避けられた。白虎の攻撃を食らった床を見てみると、罅1つ無く綺麗に爪の形に抉られていた。攻撃力高すぎね?かすっても腕ごと持っていかれそうな感じだなあ。反撃とばかりに一太刀浴びせるが、返ってきたのはガキンという金属音だった。


「はあ!?」


「グルァ!!」


 うわ、こっちがやられるところだった。毛も金属かよ……主旨は判明したが、全身硬い金属で固められてるとは。見た目詐欺じゃん。何か洋画にそんなのが……あれは人か。昼にやってたから少し見たけど中途半端に見てたから中身覚えてない……いや今はそれはどうでもいい。対策はまた【貫牙剣】か?


「全身ですね……」


「玄武と被ってないか、アレ」


「い、一応攻撃は水メインだったのでそこは……多分魔法が弱点なんでしょうね」


「あ、そうかそっちかあ……魔法使えます?」


「いえ、純粋な攻撃のものは。すみません」


「いや謝る事じゃ」


 『刀王』なのに魔法使えたらびっくりだわ。物理2人でどうすれば良いんだか。やっぱり【貫牙剣】かあ。


「物理無効ではないみたいなので……お願いします」


「まあそうですよね、分かりました」


「度々すみません」


「良し、【貫牙剣(アウラ)】」


 アポロは汎用性のある攻撃力の高い手段は色々あるようだが、こういう場合の対処法はあんまり無いらしい。アポロさんにおんぶに抱っこ状態にならずにいるのはありがたい。白虎の方は【貫牙剣(アウラ)】を発動させた俺の刀が危険だと分かっているのか全く油断してくれそうにない。ボスだったりレベルが高めのモンスターになると察しが良くなるから面倒だなあ。こういうリアルさは敵だと厄介な事この上ない。アポロさんも斬撃で多少邪魔をしてくれるが全身が金属なので打たれ強い上に爪に当たるとやばいので当てづらい。というか今更だがアポロさんは斬撃をバカスカ撃っているが制限とかクールタイムとかどうなってるんだろうな?そういえば詳細は聞けていない、いや別に聞かずとも良いんだが。そもそもこのボスのレベルより俺の方が低そうなんだよなあ。砂漠のモンスターはまだアレだったが隠しステージだから多少上がっているのだろう。とにかく当てないと。


「ちっ……【刺突】!」


 白虎の攻撃を受け流し、左前足の付け根にスキルの後押しを受けながら突き刺す。金属の毛皮をものともせず深く刺さり、派手に大量のエフェクトが飛び散った。だが、それなりのダメージになってもまだ白虎は元気な様で右足で攻撃しようとしてくる。流石に受けると死んでしまうので刀を抜き急いで離れる。


「十分通用するな……」


「あの傷ならそこに当てれば私の攻撃も通りますね」


 玄武の時と同じ要領だ。白虎の攻撃を避け傷をつけるを繰り返し、アポロさんが追撃しやすい様にしていく。多少時間はかかっているが、これなら普通に倒せるだろう。そうして続けていくと白虎は攻撃を止めた。


「うん?」


 白虎は震え始め、毛が逆立ち始めた。あ、第2形態か。どんな感じに……うわ。


「グルァァ!?」


 白虎の傷口目掛けてアポロさんの斬撃が命中する。あ、変身中断した。というか中断出来るのか、一定のダメージとかかな……いやいや。


「アポロさん……?」


「このまま、追い込、んだら、どうな、るかと、思いまして……ふっ!」


「グルァ!?」


 アポロさんの絶え間の無い攻撃で白虎は避ける隙が無い。全部ピンポイントで俺がつけた傷口に当ててるから、その分ダメージが入り怯んでいる。当ててる技術も凄いが、玄武の時も思ったが結構容赦ないな。確かに第2形態になる前に倒せたなら楽だし、若干興味もあるが……普通に倒せるのか?ちゃんとした手順を踏まないと倒せない様に出来てるボスが大半だが、こうして見ると普通にダメージ受けてるし、いけるかな?反対側からやれば邪魔にはならなそうだし俺も参加しようかな。


「【抜刀】!」


「グル……!」


 俺も絶えず攻撃してダメージを与えていくが、まあ時間がかかる。後何分かかるかなと思ったいたら、白虎が唸り始めた。流石にこのまま良い様にされるつもりはない様で俺達の攻撃の中無理矢理動きアポロさんに襲いかかった。だがそこは流石のアポロさんである。


「【滝割り】っ……!!」


「グルァ……」


 おおう、見事なアッパー。顎に大きな一撃を受けた白虎はそのまま仰向けに倒れ動かない。脳でも揺れて気絶したか?外側はカチンコチンだろうが、脳味噌は流石に金属じゃあるまい。頭が硬い……そういう意味じゃないな、うん。


「【刺突】」


 追加とばかりに白虎の胸辺りの傷に刀を突き刺すアポロさん。刺したまま刀をグリグリと……痛そうだなあ。あ、死んだ。結局第2形態にならずに死んでいったな……君の事は忘れないよ、2日ぐらい。あ、ちゃんと玉はドロップするのね、良かった良かった。


「ふぅ、意外と倒せるんですね」


「そうですね。ゴリ押しでしたけど」


 絵面はアレだったが、それもアポロさんの高い攻撃力と技術あっての事か。対人戦で1位になっただけじゃないか、「個人最強」なんて呼ばれる由縁は。起点さえあればゴリ押しでボスモンスター倒せるなんてなあ。


「じゃあ最後行きましょうか」


「青龍の属性ってなんなんでしたっけ?」


「確か木……だったはずです」


「木か……?」


 白虎から落ちた玉を扉に嵌め、青龍のいる部屋の方へ。木ならよく燃えそうだが、魔法が使えりゃな。これまたどういった攻撃をしてくるんだか想像つきにくいが注意すれば死ぬ事は無いはずだろう。


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