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星の降る惑星を、  作者: 若野輪
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特別授業4

「お前が最後か・・・」

「はい、よろしくお願いします」


凪、十数分前に学級長に決まった男。漂うオーラから、Bクラス一番の実力者であることが分かる。そんな男が生徒19名と竜胆先生の演武を観察し続けたのだ。実力は竜胆先生に劣るが、準備は隆々、特別授業最後の演武が今行われる。


「行きます」


凪は、召喚魔法と身体強化魔法を得意としている。召喚魔法は、契約した魔獣と自身が所持している武器を瞬時に呼び出すことが出来るものである。身体強化魔法は竜也と同じように肉体を強化する魔法だ。


「アシッドワーム、ラビットウルフ召喚」


アシッドワーム、死の森に住む巨大な毒虫であり、毒性の糸を相手に巻き付け弱らせ捕食する生態をもつ。一匹でもかなりの脅威となる毒虫である。

ラビットウルフ、同じく死の森に住む獣である。小柄な体であり、個としての力は他の魔獣に劣るが、ネズミのように爆発的に繁殖するため、種族として類を見ない力をもつ。


それら強力な魔獣、アシッドワームを3匹・ラビットウルフを10匹召喚したのだ。凪を抜いても強敵と言えるだろう。しかし、凪は魔法を止めない。竜也とまでは言えないが強力な肉体強化魔法を掛け、更に片手剣と拳銃を装備する。本来片手剣に盾を装備するのが定石ではあるが、先ほどまでのすべての演武を見た結果、竜胆先生を目視することは不可能と認識したため、盾に意味は無いと考えたようだ。


アシッドワームは、凛の「硬糸牢四重巣」のように毒糸の巣を創り出し、ラビットウルフは「追尾弾のように竜胆先生を追い続ける。凛がやったように追い込み漁式の戦闘にするようだ。ただ凛と異なるのは、糸は鉄すら溶かす酸性の猛毒で出来ており、追尾弾は、10匹の意志をもった強力な魔獣であることだ。罠、そして攻撃としての完成度は完全に凛を超えていた。


だが竜胆先生は、涼しい顔をしながらすべての罠とラビットウルフを躱し続けている。やはり、凪自ら攻撃を加え、動きを止めなければこの演武に決着はないようだ。凪は遠方から拳銃で攻撃を加える。だが当たらない。勿論打つたびに竜胆先生の気を銃弾に向けることができるため、ラビットウルフの攻撃を避ける動きに若干の遅れが出る。ここに勝機を見出した凪は次々と銃弾を撃ち続ける。しかし、創造された武器ではない凪の拳銃には、一つの絶対的な制約がある。弾切れである。


「よし、ここか・・・」


竜胆先生が急に、凪に向かって走り出す。凪が持つ拳銃の連射弾数を知識として持っていたため、弾切れのタイミングを知っていたのだ。


「くっ!」


凪は最後の悪あがきに片手剣を横一線に振りぬいた。だが、そこに竜胆先生はいない。毒の糸がある為、自分の正面より後ろに行くことは不可能なはずだ。いやだった。


「桐生院、お前も上等だ」


上から声がする。凪が上を見上げると、竜胆先生が空中に制止していた。上位魔法である飛行魔法を使っているのだ。


「とりあえず、反省は後でな」


凪は先ほどまでの戦闘に全力を注いでいたため一度も瞼を閉じていなかった。突然話しかけられ、呆気にとられたため、緊張が緩んだ体は身勝手に、極度に乾いた瞳を潤そうと瞬きをした。だがもう一度瞼を上げることなく凪の意識はブラックアウトした。


「葵と桐生院の目が醒めたら、反省会をするぞ・・・」


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