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星の降る惑星を、  作者: 若野輪
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特別授業3

「つぎ・・・」


残るは凛と凪の二人だけ、特別授業の終りまで残りわずかとなっている。


「次は私です」


凛が前に出る。凛の得意魔法は魔法武器の創造である。脳内でイメージした武器を自身の魔力を介して創り出すことのできる魔法である。勿論イメージしたものをそのまま造りだすことは出来ない。例えば拳銃を創り出す場合、威力を上げれば、連射性や命中率が下がる。魔力が高ければすべてを最高水準にすることも可能だが、今の凛ではそれは不可能である。


武双(ぶそう)ブーレット(まむし)


凛の手には2丁拳銃が装備されていた。武双ブーレット蝮、殺傷能力は極めて低く、連射もきかないが、追尾機能を持った弾丸を撃つことが出来る。普通の弾であれば被弾したとしてもダメージとしてはほぼ皆無であるが、武双ブーレット蝮には、弾自体に麻痺毒が含まれており、相手の動きを封じることが出来る。つまり援護系の武器である。


「創造系魔法か、珍しいな・・・」

「そうですね、演武には余り向かない魔法ですから」


武器創造系の魔法は、魔力量が多くなければ強力な武器を造れない。結果として、大半の創造系魔導士は、個としては戦うことが出来ないのだ。武器創造系魔法を得意とする者は、後衛として前衛への武器の供給にのみ従事することが多く、演武を行う場合は、他の魔法で戦うことになる、それが演武で武器創造系の魔法が希少である原因だ。


「分かっていて使うということは、相当自身があるのか・・・」

「いえ、私にはこの魔法しか使えないだけです」

「そうか、まぁいい。かかってこい・・・」

「遠慮なく行かせてもらいます」


演武開始とともに、凛が2丁の拳銃から弾を放つ。追尾機能を持った弾が「」先生を追い続ける。その隙に、凛は武双ブーレット蝮を解除し、新たに鋼の糸を生成する。この糸は硬度以外に特筆すべき能力はなく、創り出すことが容易い。凛はその糸を蜘蛛の巣のように至るとことに張り巡らせた。


鋼糸牢四重(こうしろうよんじゅう)(そう)!」


竜胆先生は追尾弾を避けながら、鋼鉄の糸に捕まらないように移動し続けている


双剣二色恋(そうけんにしきごい)!滝登り!」


張り巡らした巣を避けるには、特定のルートを通らなければならない。凛は竜胆先生が避けることが出来ないタイミングで双剣を下方から上方へ振るった。凛の攻撃を避けようとすれば鋼鉄の糸に捕まり、攻撃を受け止める、あるいは凛を攻撃したとしても、そのタイムラグの間に追尾弾を食らってしまう。己の身すら武器とする戦闘スタイルはとても鮮やかなものだった。


「いい戦い方だ、だが・・足りない・・・」


竜胆先生は、小型のナイフを創り出し追尾弾を切り落した。その後、鋼鉄の糸を紙切れのように切り裂いていく。今までの戦闘は全てお遊びだったことが、今の攻撃ではっきりと理解できる。


「力の差が大きければ、全ての策は無意味だ・・・」


全ての策を突破され、生身一つとなった凛に勝ち目はない。素直に負けを認めることにしたようだ。双剣を解除し、両手を上げ降参の意を示した。


「状況がよく見えているじゃないか、よし、つぎ・・・」


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