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星の降る惑星を、  作者: 若野輪
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 竜也たちが転移門をくぐると、草木生い茂る森の中にいた。視界があまりにも悪い。竜胆は余り広い森ではないと言っていたが、先が見通せない森の中では、どこまでも広がる宇宙にいるように錯覚する。


「どうしますか?鶴居先輩?」


竜也は3年生である鶴井 海(つるい かい)にこれからの行動方針の質問をした。


「森の中での訓練はやったことがあるが、行動パターンは二つある。一つは集団で竜胆先生を探し撃破。二つめは周辺に罠をはり、迎え撃つ。今回は特に指示はなかったから、竜胆先生の実力も加味すると二つ目がいいと思う」


流石3年生だ、森での訓練も多く経験しており対策も形になっている。竜也を除く生徒は皆森での訓練を経験していることもあり、誰も反対の言葉を述べる者はいなかった。


「この中で、迎撃魔法を使えるのは、俺と亀井だけだ。俺たちが罠を作ろう」


鶴井は、自身と3年生の亀井 華山(かめい かや)で罠を張ることを提案した。


「私はそれで構わないわ」


亀井もそれに同意の意を示した。第一指針はきまった。二人は罠を張っていく。


「相手が竜胆先生だから、遠慮なく罠を張れるわね」


地雷、落とし穴、まきびし、捕獲網、仕込み矢、丸太落とし、他にも多くの危険な罠を仕込んでいった。


「アシッドワームを召喚出来る方はいますか?」


竜也は凪が特別授業で行ったアシッドワームの網を再現しようとしていた。森は木々が複雑に自生している。簡易闘技場と違い全方位をカバーすることが出来るだろう。


「桐生院ほどではないが、召喚できるぞ」


2年生の鯨井 紫苑(くじらい しおん)が声をあげた。


「それでは、アシッドワームを召喚して全方位に糸を張ってもらっていいですか?」

「2匹しか召喚できないから、少し時間がかかるが、構わないか?」


賛成のようだ、皆頷いていた。


「不可視化の魔法で糸を見えなくした方が良いか?」


3年生の熊谷 新(くまや あらた)が提案する。


「そうだね、竜胆先生ならアシッドワームの糸も簡単に突破できそうだし。糸を上層と下層の二重に張って下層の糸だけ不可視化しよう」


上層の糸を突破し、油断したところを見えない下層の糸で絡めとる作戦だ。


「後はチームの配置を決めましょう。俺は近距離戦闘しか出来ないので、糸の外で待機します」

「竜也君以外は、近距離戦闘は得意じゃないから、悪いけど俺たちは糸ドームの中で待機でもいいかな?」

「問題ありません」


竜胆先生を迎え撃つ準備は完全に整った。後は竜胆先生が来るのを待つだけだ。風が草木に当たり、ザワザワと音を立てる。嵐の前の静けさを感じる。嵐が来るまで後もう少し・・・


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