表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/20

16、父

父が入院した。

入院した理由は大したことはない体内に雑菌が入って化膿したのだ。


父は還暦を少し超えたぐらいの年齢だ。

だが何年か前から体の調子が芳しくなく、色々な病院で精密検査を重ねた結果、

指定疾患・指定難病に該当することが判明した。

仕事も退職し(自営業ではあるが)、運転免許も返納、高齢化社会でも割と早めの隠居生活となった。


仕事を辞めると一気に病状は進行した。

最初は杖をついて歩いていたが、次第に車いすでしか動けなくなり、

今では車いすに一人で乗れないため、ほぼ座りきり・寝たきりだ。

自堕落な性格とまでは言わないが、基本的に自主的に運動をするような性格ではない。

リハビリ等も最低限しか行わないため、どんどん筋肉が衰えている。

自分で気を付けてもらうしかないのだが、注意したところで体のせいにして終わりである。


私は小さいころ体が弱く、ひきつけを起こしたりして病院へよく通った。

その際も彼は「気合が足りないからだ」というなんとも使えないアドバイスしかしなかった。

見せてもらおう。気合があれば何とでもなるというのは今体現する時だ。


私が花粉症で苦しんでいるときもそうだった。

「気合が足りないからそんなことになるんだ」とずっと言っていた。

数年後自分が花粉症になった際には寝れなくて苦しいと泣き言を言っていた。

さぞ重症なのかと思っていれば、アレルギーの血液検査はスギ花粉3レベル。

私はスギ・ヒノキ・ブタクサで各5レベルである。

なんと打たれ弱い。気合はどうした。


母と弟達とは祖母より先に父が死ぬのではないかと話している。

父が先に逝かれてしまうと祖母は可哀想だな・・・


淡々と悪口を書き連ねているが、別段父のことは嫌いではない。

むしろ母より好きである。

母親は昔がっつり毒親といえる存在だったため、現在でも当たり障りのない上っ面でしかやり取りを行わない。

最近は祖母のデイサービスと父の介護と自分のパートでとても忙しそうにしている。

怪しい宗教をやる暇もないようだし、

自由時間が限られているからか会話もとても建設的になった。

同居している3男だけは、狂っている母の記憶が少なく、寝たきりの父の印象が強いため、

父が大嫌いで会話もしたくないそうだが、個々に過ごした時間が違うのだ仕方ない事だろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ