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縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第1章 神々より前 Before Gods 北のモシリ
73/182

73.雄大な景色

忙しい春はあっという間に過ぎた感じだ。

夏至の日が訪れた。

俺がこちらの世界?時代?にきて2年目になる。

北国の春は長く夏至になってもまだ春の延長線のような感じだ。さすがに函館近辺の山には雪は残っていないが、さらに北の山々にはまだまだ雪が残っているだろう。


夏至の日の次の日に黒曜石の集積し市のようなものが開かれる集落へ出立する。

場所はおおよそだが、現世の北海道八雲町と長万部の近辺と思われる。

交易系長老のアヂ・ノ・チプ(黒曜石の船)の交易団5人と俺とアシリクルの計7人でおよそ2週間から3週間の旅にでることになった。


実際にはもう少し遅く出発して短い期間で帰ることもできるが、俺が少し足をのばして北の集落を見たいという話から長めに設定した。

というのも、他の集落も交易のためにその市の開かれる集落に集まるのは夏至の祭祀が終わって出発するので、遠いほうの良質の黒曜石が入ってくるのは1週間以上かかるのだという。通常はそれに合わせて夏至が終わって3日程度経ってからの出発でも十分間に合うのだとか。

俺が優秀な犬が欲しいというわがままの付き合いで長期の旅の予定になってしまった。


道が思ったよりいいのと、集落が意外に多く点在してて、未開の蝦夷地を歩くという感じではない。


ちょうど現世いうところの峠下、道の駅があったり某ご当地バーガーの総本店のあるあたりで、休憩の時アヂ・ノ・チプが話しかけてきた。


「この峠を越えますと、素晴らしい景色が見られますよ。思わずオホシリカム様の名前を叫びたくなるような」


そういえば、俺の名前の説明で、なんかこじつけで塔から見た景色のような景色を雄大だと説明したら、オホ(オウ)で大地のようなでシリが付いたことを思い出した。

実はどんな景色が見えるか知っていたが、楽しみなふりをしていた。


俺はは、アシリクルにも峠を越えたあたりで絶景が見られると伝えた。


峠の上から見た景色は・・・。

俺が知っている景色と全く違ってた。


目の前には樹海と巨大な富士山?

「すばらしい絶景。雄大な景色だ」

俺が知っているのは、大沼とそこにゆったりとすそ野を広げる北海道駒ケ岳の景色だ。

そうか、まだ山体が崩壊していないから大沼もできていないし、きれいな富士山型の成層火山なんだ。


山頂からは弱い噴気が見られるが、夕日に照らされて少し赤く染まった姿は本当に美しく、裾野に広がる樹海と合わせて雄大な景色だった。


皆は「オホシリカム様ー!!」


と叫んでいるが、それはちょっと恥ずかしいのでやめて欲しい。


アヂ・ノ・チ「今日はここで野営する」

皆で野営の準備をはじめて、それが終わったころにはもう満点の星空が広がっていた。

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