温泉へ
温泉親睦会。
ということで、俺はすぐに起き上がった。
レブン・ノンノはびっくりして平伏してしまった。
ほかの2人の巫女たちはいつも通りで平伏はしなかったので、逆にみんなが驚いた。
俺「レブン・ノンノ、みんなで温泉に行こう。カンチュマリが拭いてくれたけど、頭にもあの悪いヤツの血をかぶってしまったし、すっきりしたいし」
カンナアリキ「先ほどの襲われた場所に近いのですが、ユペツ(湯の川)温泉があります。砂を掘って湯だまりを作って入るのですが、この時期はすでに何個か大きいものが掘られていますのですぐに入られます。それに、ウェン・カムを倒したも者や見たものは、悪い病の呪いをかけられることがありますが、それも神聖なお湯で祓うことができます。さっそく皆で行きましょう」
レブン・ノンノ「はい、すぐに支度します。」
慌てて立ち上がり準備をはじめたが、少しぎこちない。
ウェン・カムの死骸はどうなったかというと、神送りの儀式も、皆で食べることも、毛皮を使うことはないという。ただ、爪か牙、できれば爪なんだそうだが、使うために採集するという。
爪は俺の体に掛かると同時に溶けて失われたが、牙は集落民によって採集された。
その死骸は本来はその場に打ち捨てられるのだが、すぐ下流が、これから行く神聖なお湯の出るユペツ(湯の川)温泉なので、下流の海岸まで運ばれて打ち捨てられたという。
ちなみに牙は幼子や病人に使う。悪霊が寄らないために、もっと強く悪い神が憑いていると見せかけて、本人を守るために使うという。




