表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第1章 神々より前 Before Gods 北のモシリ
62/182

異世界

気が付くと集落の寝殿に寝かされていた。周りにはカンチュマリ、レブン・ノンノ、アシリ・クルの3人の巫女と首長カンナアリキがいて、カンチュマリが俺の体を拭いてくれている。ここに運ばれてさほど時間は経っていないようだ。


俺「あれから、ウェン・カム(悪い神=悪い熊)はどうなった?」


カンナアリキ「悪しきものは爪か牙を剥いで体はそのままにします。」


俺「大丈夫、倒せたんだな」


カンナアリキ「はい、猛毒がまわって殺すことができました。オホシリカム様はやはり原初の神様の使わされた神様。ウェン・カムの力は全く及ばなかったようですが、神々の争う姿を見て、ただただ畏れ慄くばかりでした。」


そうだろう、あのウェン・カムの巨体、強靭な前足であれだけ背中を攻撃されながら、血を滴らせることなく、猛毒の石器を自分の手にも食い込ませながらもウェン・カムに押し込むその姿は人間とは思えなかっただろう。


不老かどうかはまだ時が経っていないからわからないが、不死であることは間違いないようだ。


不死の存在。


常識的に考えても、また過去の歴史上考えてもあり得ないことだ。そのあり得ないことが起こる世界。

ここは過去の日本ではなくて、過去の日本に似た異世界と考えるほうが正しいのではないだろうか?

一種のパラレルワールドとも考えられるが、不死の存在は、ただのパラレルワールドでは考えられない。世界の仕組みの根本から違う。そう異世界という全く別の世界の存在を肯定しないと成り立たないのではないか。


地形や火山噴火などの事象、縄文の文化など過去を思わせるものは確かにたくさんあるが、そもそもここが正確に5000年前なのか4000年前なのかすらわからない。

過去ではなくて異世界か?と思わせる事象が起きても、それはすぐに何かの力が働くように証拠がかき消される。


異世界と気づかせないため?

それとも、日本過去であり、その過去が変わってしまわないための力が働く?


いや、そもそも、そんな神のような意思が働くとしたら、それは現世では考えられない。


やはり、異世界なのではないだろうか?


いずれ、日本の過去だとしても、俺がこの時代にはない何かをやろうとすれば、強制的に修正する力が働くのではないか?

そう考えると、ここは過去だからと、見守るだけで終わらず、積極的に関わっても問題ないのでは。


いや、俺はこの世界に積極的に関わるべきなのではないだろうか?

そうでないと、ここに連れてこられた意味がない。


横になりながら、いろいろな考えがめぐる。

でも、明日からはこの世界にもっと積極的に関わっていこうと心に決めた。


カンチュマリ「何かお体の具合でも?」


俺「いや、少し考え事をしていただけだ。」


ふと、周りを見渡すとレブン・ノンノだけが一番後ろで目を合わせようとしない。

あの戦い方を見てしまったから、たぶん怖ろしいのだろう。


チートだなんだをやって世界に関わっていく前に、レブン・ノンノだけでなく、神嫁の巫女たち、そして周りの人たちとの関りももっと強く信頼を深めないとだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ