表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第1章 神々より前 Before Gods 北のモシリ
52/182

津軽海峡

早朝の出発で、最初は波が荒かったが、呪術師の予想通り海峡中央部も思ったほど高い波ではなかった。素人の多い航海ではあるが、向こう岸の見える安心感、気温も高めでもし海に落ちても大丈夫と思える安心感などもあって、順調に北海道側に近づいている。


本来の着港場所よりだいぶ東に流されているが、これも予想済みで船団は現在の函館よりに向かっている。海流は西から東へ流れているので、最短部を狙って最短部を流れに垂直に横切るより、少し流れに乗りながら進んだほうが楽に距離を稼げる。さらに津軽海峡は海峡中央部分が南は陸奥湾、北は函館周辺で広くなっていてそれぞれグルグル回る海流がる。それにうまく乗ることで楽に航行ができるという。ちなみに最短部の下北半島の大間から函館の戸井に渡る方法もあるが、屈強な男手で休みなく漕ぎ続けないと陸のない海(太平洋)に流されて二度とは戻ってこれないという。


それでも、岸に近づくころには日が暮れようとしていた。

場所は現在の知内町あたりだろうか。

函館よりに流されたのは若干の距離で済んだ。こちら側の物見の氏族たちの集落は函館に近いほうにあるらしい。この知内周辺にもこちら側にとっての交易拠点集落があり、海峡を渡る舟はここに預けることになる。


先発隊の1人と、この中継集落の人達数人が近づく舟を見つけて出迎えにきてくれた。

今日は、この中継集落で一夜を明かす。

持ってきた食料と、北海道側の食糧で軽く無事着いた喜びを分かち合う宴をひらく。

交易団で今回の漕ぎ手をしている人たちや、地元の集落民とも話をする。

思いのほか問題なく海峡を渡ることができて安堵したが、彼らにとってはさほど難しいことではないらしい。確かに冬場はほとんど無理だそうだが、それでも、勇猛果敢な漕ぎ手数名で渡ることはできなくはないそうだ。以前は西の深緑の王の人たちと競うこともあったそうだ。

ただ、すぐ近くに見えるからと最短と思って戸井から大間の間に漕ぎ出すと戻ってこなかったものも多かったという。多少遠くて時間はかかるが津軽半島、松前半島のほうが安全なのだという。半島を渡ってからの陸路も下北半島は長く険しく大変だという。


知内からは陸路で函館の方向へ向かう。

皆、それぞれ乾物系の食料を中心に大きな荷物を背負って歩く。今回、重い漬物系食料は全て、塔の集落と半島の拠点集落に置いてきた。そのかわり、乾物系の食糧は、向こうの分はわずかにして、北海道に渡る本隊にふり分けることにしたのだ。

なので、荷物は大きく見えるが意外に軽い。

繊維製品も最低限にした。これは、現地に到着し次第、材料の採集と製作に入ることにする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ