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縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第1章 神々より前 Before Gods 火山の時代
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26.地球は丸い?

カント・ヨミ・クル(天を読む人)とは夜遅くまで話し込んだ。チートとまではいかないと思うが、数学や天体、大地についていろいろ話をした。反応を見たかったので、もしここが過去ならちょっとやばいヒントも与えてみた。


「もし大地が丸かったら?球体ってことはあると思うか?」

彼は少し考え込んだが、もしそうならいろいろ納得がいく気がすると言った。

さすが天体観測の専門家。


「球だったとして裏側の人が落ちないのはどんなことが考えられるか?」

また彼は考えたが、原初の神の力で地に引っ張られている。だから原初の神から力をもらった神々はそれに逆らうように山を作ったり噴火をするのでしょうか?

うーん。なかなか鋭い考察だ。


「球体といわれて違和感は?」

雨粒や沸き立つ泡も球のように形を保つし、月も太陽も球体だと思うから、そうだったとしてもおかしくない。


「今まで大地が球かもしれないという話を聞いたことは?」

意外な言葉が返ってきた。

「あります。」

えぇー!!

「それこそ、あなた方のような交易系の人から聞きました。あなたで2回目です。」

やっぱり転生者のいる異世界か?


「海で遭難したらしいんです。そしたら陸が山の上のほうから見え始めたって。水平ならどんなに小さくても海岸線も同時に見えるはずだって。つまり水なのに曲がっているってことだって。神のなせる業で、海も含めて曲面に違いないって。球なのか葉の上の雫のように半球面なのかはわからないといていましたが」


うぅーん。そうきたか。

確かに古代でも船乗りの間では地球球体説というのがあったと聞いている。

てっきり、俺と同じ転生者がいる異世界かと思いたかったが。

あと一歩で異世界と証明できそうになるが、いつも逃げられる。


それにしてもカント・ヨミ・クルはすごい。

いろいろ教えてやりたい。彼なら俺の知っている知識を吸収して、この時代に合わせた役立つものを作ってくれそうだ。


やはり俺の集落に欲しい人材だ。

「火山は必ず噴火する。これ以上の観測は危険だ。もし地震があったらとりあえず逃げろ。地震が予兆になるかもしれない。地震後何もなくても噴火まで戻らないほうがいい。何かあったら俺らの集落はまだ余裕があるから頼ってきてくれ」


皆は寝ていたが、遅くまで二人で話し込んだが、最後にそういって俺も横なって目を閉じた。


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