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縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第1章 神々より前 Before Gods 火山の時代
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21.呪術師と会う

危機的状況がわかったのですぐにクルマンタ(黒き冬)現世の黒又山、そしてその近くにあるストーンサークルのある集落へ向かう。


十和田湖の西側の縁を回って、南側へと向かう。火山灰は北西側に少なく南側とその先の東側に集中しているようだ。クルマンタ方面に近い側で火山灰が少し増え始めた。これ以上は無理と思われたので少し外輪山を外側に下りながらクルマンタへ抜ける道を探した。


しばらく行くと火山灰に足跡があり、その先に下へ向かって歩いている人影を見つけた。


アシリ・ウパシが声をかけると、その人影は立ち止まり、こちらが近づくのを待っている。アシリ・ウパシが小走りにその人影に向かっていき、話をしている。こちらは少し立ち止まり様子を見ていたが、すぐにアシリ・ウパシが手を振ったので、こちらも近づいて行った。


その男はカント・ヨミ・クル(天を読む人)といった。なんと運よくクルマンタ降神台の呪術師の1人だそうだ。顔は麻布ようなものをぐるぐる巻きにして目元が僅かに見えるだけで全身灰まみれだった。


ともに山を下ってしばらく行くとやっとのこと火山灰が無くなり少し緑が吹き返してきた。もう少しでクルマンタだが、日が暮れそうなので、このあたりで皆で休むことにした。


カント・ヨミ・クルは呪術師ということだが、十和田の火山の様子を見に行ってたらしい。ここ数年神々の沸き立つ湖(十和田湖)の観察を繰り返しているという。

詳しく聞くと火山はすでに数代前でもあの大きさで、ここ数年はたまに爆発的に噴火したかと思うと、急に静かになるというのを繰り返しているという。

非常に不穏な感じがするので、呪術師たちは、火山の直接の観察だけでなく、星空や月や太陽の運行にも目をくばり予兆をとらえようとしているという。

クルマンタ降神台もその記録装置と神様に現状をお伝えする役目があるといっていた。名前の降神台というのはちょっと威厳を持たせようとしてつけたにすぎないといっていた。

正確には今の現状を解析してその結果を神様にお伝えして救いを求め何を為すべきかお伺いをたてるための神様への報告書兼伺い書のようなものだと言っていた。


うぅーん、現世と何か繋げるパワーがあるのかと思ったがそうではないようだ。


アシリ・ウパシは俺が降神したというのは集落以外には秘密にしたいといっていたので、それ以上神との関りについては聞かなかった。ただ、クルマンタについてもっと詳しく知りたいと言ったら、明日集落に入る前にクルマンタについていろいろ教えてくれることになった。

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