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縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第2章 動き出す神々 Action of Gods 木の国
131/182

131.落成

すぐに建設が開始された。

まずは柱を立てるためのスロープと足場が建設される。

これは仮設置なので柱は掘り込まないで作る。

建設をスムーズに進める意味と住みながら作業もできるように、立地はイ・キ・ノ・キミの建物に接した部分から作り始める。反対側のスロープとすでにある建物の屋上側から足場を伸ばして工事を進める。


スロープの先端部の足場は柱の太さと長さに応じた凹の形に割れていて、ロープをかけた柱はこの真ん中のスリットに運び込まれて、ロープの片方を少しずつ緩ませて、事前に掘った穴に建てていく。この足場は2列作っておいて、柱は2列ずつ立てていく。

通常は全て同じ高さの柱だから、足場を先に延ばしていきながら、2列の柱の間の梁、そして次の柱との梁もこの時に作っていく。

まずは周辺部の15メートルの柱は全て立てて、中央部の1段目の柱も立てて、梁も完成させる。

中央部の2段目の柱の高さに合わせてスロープと足場を作る。2段目の設置が完了すると。さらに中央の3段目の柱のためにスロープを作る。足場とスロープはすでにできた1段目、2段目の柱に仮に継いでいきながら高さを作る。

最後にスロープを撤去して、スロープに使った材料は床材や壁材として使って、仕上げていく。


通常は5,6年で完成させるが、今回は2つの集落合同。しかもそのうち一つミ・ヨ・ノ・キミ(水淀の王)の集落民は被災して住む場所がないので、15メートルの高さの外周部ができた段階で、古い部材も使って居住区も作りながら工事を進めた。

最終的には、イ・キ・ノ・キミの建物も材料にしなければ足りないので、居住区も作りながらの工事だった。


高台でスロープと足場の材料、そしてそこに柱を引き上げる労力、時間、そして居住区を作りながらの工事で通常の倍の10年かけて巨大木造建築を完成させた。

正直、それでもかなり早い工期だと思った。材料の準備がきちんとできていたのと、やはり匠の技ともいうべき高い技術がすでにあったためだ。


その間、イ・キ・ノ・キミが亡くなり。跡を継ぎオホシリカムノキミの名前になった。神なのか王なのかわからない名前になってしまった。めんどうなのでそのままオウキミと呼ばせた。


中央から東西に延びた列柱室は壮麗だったが、南北で居住区が区切られてしまったので、梁を利用して通路、渡り廊下を作った。まぁこれはこれで便利だしカッコいい。中央部は開口部があって光が入るが、列柱室の天井も細いスリット状に開口部を設けて光が入るようにした。さすがに、建物が巨大すぎて中が真っ暗になり過ぎるからだ。


中央の広場は3本を環輪タマクワで締め上げた巨大な柱が天に向かって伸びている。ほとんどモニュメント的な高さだが、板や布を布いて大雨や大雪の直接の侵入も防げるようにした。

十分な広さがあり、かなり大きな火を焚けて儀式も内部でできるようになった。

他に居住区の2層、3層、それぞれに4か所の共用の竃、炉が設置されていている。

ちなみにトイレは各家族ごと木の入れ物にして毎日外の肥溜めに捨てに行く。


俺と神嫁のレラタサの居住スペースは、3層の中央に近い北側とその真上の4層北側。かなり贅沢なことに、冬場は3層、夏場は4層で暮らすことができる。4層目は屋上に面していて夏は風を入れることができる。

ちなみに2層目も意外と快適だ。夏場は特に涼しい。冬場快適なのは3層目だ。

ミ・ヨ・ノ・キミ夫婦は南側で同じように3層4層に居住する。

レラタサにとっては、すぐ真向かいに両親がいるので心強いだろう。


ちなみに階と表現しないのは、1層の高さが4メートルほどあるので、住民たちはそれをさらに2層、3層に分けてロフト風に作り変えて家族で住んでいるからだ。

家族ごとの区画割が済むと火を扱う場所以外はけっこう自由に設定できる。


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