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縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第1章 神々より前 Before Gods 火山の時代
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13.神の最初の仕事は火山調査

縄文2日目の夜も大堂の祭りの宴に参加する。

昨晩よりは打ち解けていろいろな話をする。


料理は相変わらず同じだ。

話を聞くと、新鮮なものを食べられる季節だからとりわけ素材そのもの味にこだわるらしい。冬になるといやでも毎日、加工されたものばかりになる。味は複雑になるが意外に飽きるのだという。ほんとうかな?と少し笑ったらカンチュマリたちも笑ってくれた。


整理すると神としての仕事は、八甲田、十和田湖の火山調査。同時に噴火に備えた備蓄を含む防災、減災のための施策。ここには直接の影響はないが、西や東では地震、津波の予言もあるという。実際に起きたとか、これから起こるとかの情報があちこちからもたらされているという。

北方も問題がある。おそらく駒ケ岳か洞爺湖、有珠山、もしくは樽前山だろうか?大きな山が噴火して十勝の黒曜石の流通が止まっているとのことだ。そんな、いろいろな不安事項が続き、今回の神降ろしの儀式に繋がった。だから、これらの調査が優先事項で彼らの不安を少しでも和らげるのが仕事のようだ。


個人的な興味で動きたい事項は。

塔の造り方。しかも昨晩の塔を作ったミツ・ハ・キミ(新緑の王)の話は興味深い。宴で改めて聞いたが、西の大湿地の畔には大森林があり、その森林よりも一段とびぬけて高い塔を作る一族がいるという。木を継いで作るというが、ここの塔もそうだが、どうやって柱を打ち立てるのか興味深い。

でも、これは後回しにするしかないかな。でも西の大湿地は津軽平野の北のほうだろう。地震による津波も古代にはかなり大きなものがあったと思った。いずれは調査が必要だろう。


しかし、なによりも興味深いのはストーンサークルだろう。

現代では墓という説が一般的になりつつあるが、全てに人が埋まっているわけではないし、彼らの話ぶりからすると、様々な用途というか意味がある施設のようだ。これはうまくすると神降ろしの技を伝えたアシリ・ウパシ(新しい雪)のルートで八甲田から十和田湖を経由して大湯へ行き、現役のストーンサークルを見てこれるかもしれない。


他にも謎の縄文発掘品は様々ある。土偶もそうだし、あそうだ、もし時代が同じなら遮光器土偶の作者に会えるかもしれない。あぁそれは西の大湿地、森林地帯のほうかもしれないが。


「アシリ・ウパシよ。早いうちに神々の沸き立つ湖を訪れて調べたい。皆も不安であろう。そなたと、数人で彼の地に向かう準備はできるか?」

アシリ・ウパシ「では、祭りが終わりしだい、旅の支度をはじめます。」

「状況により、そのままクルマンタまで行き、西周りで戻ることは可能か?」


現在でいうところの八甲田から十和田湖へ行き、十和田湖の外輪山をまわり大湯へ下りる。そして小坂方面から山を越えて津軽平野を北上して浪岡から青森に戻るルートだ。現代なら高速道路もあるし観光ルートとして申し分ないが、かなり過酷な旅になるだろう。

「はい、可能です。沸き立つ湖で神の息が吹き荒れなければ、クルマンタに抜けるのは簡単です。あとは道が整備されていますので。」


なんと街道があるのか?

どんな道だろう?

街道があるのなら、いずれは俺の故郷の地にも行ってみたい。遠い遠い先祖が住んでいるかもしれない。まぁまだまだ先になりそうだけど。

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