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縄文転生 北の縄文からはじまる歴史奇譚  作者: 雪蓮花
第1章 神々より前 Before Gods 旅路
117/182

117.やっと世界を試す

転生から8年目冬。

アシリ・クルとレブン・ノンノに子供ができた。

集落の復旧・復興も順調だ。

交易も板綴舟と帆の利用で海峡を渡るのも格段に安全性とスピードが向上した。

ただ、慢心して冬場の荒れた日の渡航に挑戦して難破した事件が起こった。

呪術師の天候急変の忠告を無視したために起きたものだ。

陸奥湾内は縦横無尽といったぐらいに帆を使った操船技術も向上したのも、慢心の原因だったかもしれない。

やはり風の強さも波の高さも海流の強さも冬の海峡は全く違う。

冬は原則渡航は禁止にした。


カンチュマリと同じく紅葉の季節に二人とも生まれた。

アシリクルには女の子が、レブン・ノンノにも女の子が生まれた。

アシリクルの娘にはクンネチュプ・カムイ(月の神)、レブン・ノンノの娘はレブンカムイ(海の神)と名付けた。

3人の子宝に恵まれたので、ますます狩猟・採集に交易に力が入る。

3人の巫女たちも分け隔て得なく子供たちを育てくれている。


子供がある程度育って手がかからなくなるまでは、いろいろやりたいこと、故郷のほうを訪ねることも延期しようと思う。


それからの年月はあっというまに過ぎ去った。

5,6年で山の緑も回復して、特にワラビなど一部の山菜の収量は大幅に増えたし、エゴマやヒョウタンなど栽培植物の収量も以前の数倍に達するようになった。その余裕は交易や工芸品に充てることができるので、周辺と比べるとかなり裕福な暮らしのできる集落になっている。


そして、子供が俺の外見と同じ年齢に達してしまった。

ほとんど兄弟姉妹と同じ感じだ。

アシリクルが少し悲しそうな顔をすることが増えた。

一番懐いていた犬のピリカが死んでからは特に落ち込むことが増えた。


子供たちも、ある意味では手がかかる年齢だが、この時代では家族を持ちはじめても問題ない年齢だ。

俺はアシリクルと出かけることにした。


たまに狩猟・採集で一緒に出掛けるが、泊りがけの冒険旅行的なのはもう十数年前の北のモシリ(北海道)でトカプチ(十勝)まで行ったとき以来だ。


俺はここで転生時からやってみたかったことをすることにした。

そう、世界を試すのだ。

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