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くすんだ紺  作者: 正
6/6

紺?


僕は今日も母役の「おかえり」を無視して部屋にこもった。

僕はハンバーグを描く。


すると、突然ドアが開いた。

見たこともない、別人のような顔付きだった。


「……」

「いい加減にしなさいよ。」

遅いとすら思った。今?

けど、そんな程度じゃなかった。


「馬鹿よね、本当。また同じ目にあうのよ?」

気持ち悪いほど高かった声は、

気持ち悪いほど母に似た声になっていた。


「…また?同じ目?」

「そうよ。半人前のアイツなんかよりも酷いかもね。」

何の話をしているんだろう。


「人の話を聞くのホンットに下手くそね。」

「は?」


「…その面が気に入らないのよ。」

横腹に激しい痛みが走った。

「い"っ…!!!てめ…」

「あら、貴方そんな物騒なこと言えたの?意外〜」

兄なら、きっとしないだろう。

僕は右手を握りしめて殴った。


つもり、だった。

「運動不足ね、本当。聞いてた通り。」

逆の横腹を蹴り、僕を地面に押し潰した。

「くそが…」

「その憎たらしい口、どうにかしてくれないかしら。」

女は俺の上に乗り、右頬を殴った。

いつもの雰囲気とは真逆で、女のくせに無駄に強い。

数発殴られると頭がうまく回らず、ボヤける視界で女を見ていた。


ぜってーやり返す。

そう思っても体が動かなかった。


「あの母親の虐待の仕方は私がやってきたもの。」

つまり、本家ということか。

「だから、手本を見せなきゃね。」

僕に目隠しをした。

気持ち悪い匂いがした。


いつ殴られるか分からない状況はとても辛い。

痛い。やめて。


しばらくすると、僕は喋れなかった。

目も開けることもしんどい。


「もう?弱いなぁ。次はお兄ちゃんかなー」


は?



僕は右手で僕の上に乗っている女を薙ぎ払った。



は?



目を開けることが出来た。僕は女を見る



は?



女は不思議そうに座り込んでいた。



「はぁ…?」

「…」


「兄さんが…なに?え?」

なぜ女は怖がっている?

僕はお前が言う通り非力のガキだ。


何を怖がる?


僕はペンを握った。

女は素早く僕のペンを取り上げ窓から投げ捨てた。


僕は前を向いた。


「ねぇ、すっげぇ痛い。」

「…」

「めちゃくちゃ。すこぶる。」

「当たり前じゃない。何急にキレてんのよ」

「兄さんは、ダメだ。」

「は?」

「殴られても怒れないから。きっと、兄さんにはできない。」



僕は指を傷口当てて、床に絵を描いた。

女は僕を蹴りあげた。僕はまた描き始める。


「僕らは支えあわないと倒れてしまう」


女は俺の手を掴んだ。

僕は女を蹴る。

いいところに入ったようで、女は腹を抱えて僕を睨んだ。


「だから今度は僕が守るんだよ」


出来上がった「それ」は翼を広げ彼女を見据えた

彼女は小さく悲鳴をあげた。僕の後ろに立つそれを見て。


僕は、犯罪者になった。

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