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毒男異世界を歩く(仮)  作者: 自由なお仕事
2/2

大歓迎? と 焼きとうもろこし

やっぱり異世界小説は書くのが楽しい、まだまだ未熟かもしれませんがまったり見届けていただけましたら幸いです。 前回登場したヒロインの名前は リヤ・カーネ になりました、ちょっとはかわいい名前になったかな? そんな訳でぜひぜひ続きをどうぞ



 村は、簡素な木のフェンスがぐるりと敷地内に散りばめられたような家々を囲むようになっていた。


 十~二十ぐらいはありそうな家々、奥には広大な畑や果樹園もあり、店の入り口から近くに、RPGっぽく道具屋さんっぽいのや簡素な宿屋も見受けられた。


 右のほうを見ると広場に前世で言う祭りっぽい感じの屋台が立ち並ぶ光景が背に見えた、あそこがお祭り広場だろうか?


 家の戸数を数えていると、近くに居た人が声をかけてくれた。


「やぁーやぁー……、ありがたや、ありがたや……神様の(おぼ)()……」


 声をかけて来たのは言ってる内容通り神様を信仰しているお婆さんだった。


 ……? なぜそんなに崇められているのだろう? きょとんとしていると


「嗚呼、すまない、ヘンネの村へようこそ。 ちょうど祭りをしておって、お主がこの世界に生まれた(うたげ)も兼ねさせてもらうよ」


「……そうですか」


 不穏な空気が漂う、なんかうさん臭い?はめられている?


「いやね、祭りの日に近くで人が生まれると良いことがあるという言い伝えがあって、それで活気づいてる感じじゃよ、話は、カーネから聞いたよ、大事に至らなくてよかった、聞き慣れない言葉かもしれないが、どうか適正レベルまでサポートするから、ゆっくり滞在しておってくれ」


 会話にぎこちなさを感じるたが、それを謝るかのように饒舌(じょうぜつ)に歓迎されている理由を説明してくれた。


「な、なるほど……」


 生命の誕生は確かにめでたいものだ、前世では誕生日という記念日を重んじている人も多かった。


 となると俺の誕生日は今日になるのだろうか?


「んんっ……」


 前世のことを思い出そうとすると頭が痛んだ。


 ただ一つ確かなのは、(おぼろ)げに、退屈な日々だったのは覚えている。


「大丈夫かい? この村の皆は親切だから困ったことあれば頼っていいからね」


「ぁ、はい、ありがとうございます」


「それじゃ、また後で、おいしいものたーんと食べて言ってね、宴だからお金は要らないよ」


「本当ですか? ではお邪魔します」


 内心ガッツポーズを堪え、さっそく焼きとうもろこしでも貰いに行こうとお祭り広場に足を運ぼうとしたその時だった。


「あの、えっと……」


 やたら幼い女の子の声だった、服をそっと引っ張られた。


 目をやると6歳ぐらいで背丈1メートルちょっとの女の子だった。


 どことなく見覚えのある顔つきだった。


 誰だっけ……?


 思わず目を凝らすと名前が見えた。


 リン・カーネ Lv.?? (6歳)


 リン・カーネという名前らしい、レベルが??なのはなんでだろう?


「はい、これお兄ちゃんにあげる、お姉ちゃんから」


 そういって小さい子が差し出したのは、RPGにありそうな道具袋だった。


 ナップサックやリュックぐらいの大きさはあった。


 左手で受け取り、右手に持っていたドックルトの戦利品を放り込むことにした。


 放り込むと同時に、目の前に薄いアイテムウインドウが現れた。


「ん?……」


 目を凝らしてアイテムウインドウに注目すると、ETCというタブで表示された、横4枠縦6枠計24枠の上に、左上から順に、錆びた小刀・小さい木の盾と小さい写真のようなアイコンが表示された。


 道具袋に入れた瞬間、さっきまで持っていた、戦利品2点の重さがなくなり、道具袋を覗くと


 袋の中は見た目は空になっていた。


「おぉー。すごい、 ありがとう!」


 そっと頭を撫でると照れくさいのか、リンは鼻をすすった。


「お、お姉ちゃんに言ってね、じゃぁ、お祭り楽しんでね。 ま、またねお兄ちゃん」


 そういって女の子は足早に去っていった、その後ろ姿がどこか寂しそうに見えたのは気のせいだろうか?


……?


「ん?…… お姉ちゃん……?」


 確か名前は……リン・カーネ、嗚呼、助けてくれたリア・カーネさんの妹?


 命を助けてもらい、道具袋までいただけて至れり尽くせり……、がんばって出世払い(おんがえし)ができると良いな。


 リアさんはどこだろう? そう思いながら町を見渡しながらも、焼きとうもろこしの甘香ばしい匂いに惹かれて広場に行く、


 すれ違う人が、笑顔で会釈をしてくれた。


 リンと同い年ぐらいの男の子が持っている串についた焼き鳥をくれたりもした。


 転生そうそう、俺は超幸運何だろうか?


 まだ熱々の焼き鳥を頬張り、幸せを感じる、足の傷の痛みは治療してもらってから殆ど痛みは無い。


 あっという間に食べ終わった焼き鳥の串を捨てる場所に悩んだので道具袋の中に放り込んだ。


 中があんな感じだから多分汚れたりはしないだろう?


 するとご丁寧にもアイテムウインドウが開き、錆びた小刀・小さい木の盾に続き、その右隣りに、竹串の小さい写真のようなアイコンが目の前に表示された。


……。


 前世と違い、実際のゲームはなく、命の危機もある世界だけどすごく楽しそうなだ。



 俺はこれからのことを色々想像してワクワクしながら、甘香ばしい匂いを放つ焼きとうもろこしに齧り付いた。


「ぁっ……特製甘辛醤油ダレやっばっ、んまっ……」


 後で店のおっちゃんに美味かったと伝えておこう。


 何故か、人に感謝するというのは久しぶりな気がした。


 こんなに心満たされるのに、久しくしていないような気がした。


 いや、感謝なんて生きていたら、大なり小なり毎日するだろう?


……まさかな、という気持ちが芽生えたが、それこそ、俺がこの世界で、この町の近くで転生した理由だった。

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