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毒男異世界を歩く(仮)  作者: 自由なお仕事
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毒男 と はじまり

いつの間にか誹謗中傷などが好きな毒男として生きていたが、気が付けば異世界に転生?


歪んだ異世界ゲーム風小説を予定、 まったり楽しんでいってください。


「……」



 内気で根暗になったのはいつからだろう?



 人を蔑む目でしか見れなくなったのはいつからだろう?」



 本当の意味で独りぼっちになったのはいつからだろう?



 馬鹿じゃねぇーの!? 



 きもwwwwwww



 池沼だよなぁー



 だっさ、センスないわ。



 死んだほうがいいんじゃない?



…… いつからだろう? 誹謗中傷の毒に侵され、誹謗中傷する加害者に周り過ちを犯したのは。



 虚しいと分かっていても、誹謗中傷が、反応がたまらなく



たまらなく、たまらなく!、たまらなく!!たまらなくっ!!



たまらなくたまらなくたまらなくたまらなくたまらなくたまらなく……



快感になったのは?




……



 確か初めて誹謗中傷をしたのは笑顔ビデオというITUBEに続く大手動画サイトで



 初心者の生笑顔ライブを、たった一言……



 たった一言、コメントで皮肉ったことだった。



「顔イマイチで、ファッションもダメ、部屋のセンスもダメ、見る価値ないな」



 何かに期待していた。



 何かに期待してその生笑顔ライブを見ようと思った。



 でも、いざ見てみると、ぐだぐだで、だらしなくて、見ていてイライラした。



 部屋に飾られた人形がなんか哀れで人形も可哀想に思えた。



 俺の期待を裏切った、だから誹謗中傷の文句を言った。



 それだけ言って、ウインドウを閉じようと思った。



 でもさ、今冷静に考えると、勝手に期待して、勝手にがっかりしたのは



 相手にとっちゃ知ったこっちゃないし、一銭足りともお金を払っている訳じゃないんだよね?



 商品を買ってクレームを言うのとはわけが違う。



 商品も買わずに、文句をいうって今更ながら身勝手だよな。



 その後のことも一応なんとなく覚えている。



 私の打った文字が反映され、リアルタイムで映像を横スクロールするのだ。



「んなら見ないで下さい! 消えて下さい!」



 配信主は、ちょっと悲しそうに、少し怒りを込めた感情で文句を言った。



 俺はなんかその反応を見て胸の中が高鳴るのを感じた。



『嗚呼、消えてやるよ』みたいなことを打とうとしたのだが



 私のようにライブを見てイライラした人がいたのか、



 2つ、3つ、4つと、荒れたコメントが流れた。



 結論を言うと、結局数分後にライブは中止になり、また、その人が二度とライブをすることは無かった。



 俺の心に残ったのは、荒らしの火種を巻いたほんの少しの罪悪感と、俺が中心角で物事が動いたという凄い感動だった。




 それから、学校でのストレス発散に至る所で俺は誹謗中傷をした。



 うまくスルーする人もいるが、半分ぐらいは、過敏に反応して、無様な姿を晒すだけで



 それが凄く滑稽だった。



 そして、その滑稽さを感じながら、俺は弱くないんだと実感できた。



 でも結局は、ずーーっと暫くした後に、何より愚かで滑稽なのは自分自身だと……。



 結局自分も弱い者いじめをしていて、殺したいほど憎んでいるいじめっこ達と同類(いっしょ)なんだと、思い知る。






 余談だが、投影というのは、自分はこんなんじゃない、こんなに弱くない、と相手を攻撃することで自分を優位に錯覚させることで



 また、浮気を許せない!!という人ほど、浮気願望や過去に浮気をしたことがあったりするらしい。









……



「死ね、死んでしまえっ!!」



「……へっ?」



 振り向く途中、ザクッと気持ちいいぐらい爽快に体に何かが差し込まれる感覚を感じた。



 久しぶりだった、誹謗中傷を受けるのは、やっぱり、気持ちが良いものじゃなかった。



 それはともかく、凄く痛かった……。



 それからオレの記憶は飛んだ。
























 ……



 やさしい風が、香ばしい匂いを運んできた。



 醤油の香ばしさと、ほんのり甘い匂い……これは、焼きとうもろこしだろうか?



 口の中に唾液が溢れてから、ハッと目が覚めた。



「フンッ……んぁぁっ……」



 伸びをして気づく自分の服装が見慣れないのだ。



 粗末な服とズボンの上RPGでありそうな、茶色い革の鎧と腰当てを身にまとっていた。



 腰当ては、茶色いが形が剣道のタレ?に似ていた。



 そして、似たような質の手袋と、革のレギンスを履いていた。



 起き上がり辺りを見渡す。



 気温は、暑くもなく、寒くもなかった。



(ここはどこだ?)



 そんな風に思いながらも、風の方向に導かれるように、歩いて行った。



 RPG風の夢だろうか? 



 だとしたら、魔物討伐をしてみたい。



 そして、夢であるが故に、長い冒険を期待したら、区切りが悪いところで目が冷めそうだ。



 妙にリアルな焼きとおもろこしの匂いが行動を鈍らせるが



 そんなの、目が覚めた時に作って食べればいい、手間がかかるが



 その時は、どっかスーパーにいって、とんがりスコーンを食べればいい。



 とんがりスコーンとは、主原料がとうもろこしで網状の2cm前後の三角形のスナック生地を2つ重ね、中に丸みを帯びた空洞がある美味しいおやつである。



 そんなことを想像していたら、無性にとんがりスコーンが食べたくなった。



 普段は、ホットチリ味のポテチ、『カラインジャー!』を食べている自分だが



 この匂いに踊らされてか、『とんがりスコーン』が食べたい。



『グゥゥ……ギュルッルッ……』



 リアルな腹の音が、空腹を感じさせるが、音が鳴り終わると同時に腹の空気が減ったことで少しお腹を楽に感じる。



 そもそも、村に行ったところで、コミュ障気味の俺は、焼きとうもろこしを譲ってもらえないだろう。



 そうと決まれば、空腹で、力が完全に発揮できないが、バトルがしたい!



 スライムとか、コボルトとか、今の自分のレベルが分からないからなんとも言えないが



 多分戦えるだろう、それか、いい勝負は出来るだろう。



 そうと決まれば、 手に持っている、木刀を力強く握……



 あれ?



 握る……。



 嗚呼、左手に持ってるのかな?



 力強く木刀を握……



 あれ?……



 はっと気づき、両手の平をみる。



 何も持っていない、となると道具袋か?



 そう思い、皮の腰掛けを円を描くようにペタペタと触るが



 道具袋もない。



……



……



「……いや、まぁ……拳と足があるから、格闘系のスタイルでいけば?」



 おそらく、革の手袋と革のレギンスな訳だが、多少の耐久度はありそうだった。



 その覚悟が出来ると、俺は辺りを見渡そうとした。



 すると、何かしゃがれた声が聞こえた。



「グヒヒ……人間、人間! 外ノ人間 」



 そして、草を踏み歩く音が 『ササッ』と聞こえる。



「ん…… さっそくお出ましか!」



 思い通りに事が進んでいる。 武器がなかったのは少し残念だがだが、


 ものは考えようで、格闘技はより戦闘をリアルに体験出来るかもしれない。


 ましてや、殴られることはあっても殴り返したことはないので、一度味わってみたいことだった。



 草を踏み鳴らし現れたのは、80cmぐらいのコボルトだった。小さい木の盾に小刀を持っていた。


 俺は、左手をパーに、そして右手をグーにして、腹の前で少し勢いをつけた右手の拳と左の手のひらを合わせた。



 いわゆるファイティングポーズというやつだ、多分……。







 パンッと、左手のパーに右手のグーをぶつけ音を立てる。


 安っぽそうだが丈夫そうな革靴はしている。


 蹴りで倒せるだろうか?


 改めて相手の容姿を確認する。


 相手の大きさは80cmぐらいのコボルト、小賢しいそうな小さい犬型の獣人。


 薄茶色やこげ茶でいかにも野生っぽい感じがあった。


 何かアイテムがあればそれを盾に突っ込めるのだが、俺の身長は約170㎝、


 2倍の背丈があるのだから、たとえ武器を持っていようと勝算はあるだろう。


……。


 間合いは10メートル程、正面突破で数秒足らずで距離を詰める。


 小刀が怖かったが、靴で攻撃すればある程度攻撃はしのげるだろう。


 (もとい)、攻撃は最大の防御なり、


「はぁぁーっ!!」


「コボッ……!」


 軽く足をあげるだけで、それはコボルトの胸元まで届く、体格差を甘んじていたのか、構えながらも隙があるコボルト


 小さな木の盾でガードするのを確認してから、盾を押し倒し、そのまま小刀を奪い止めを刺す。


……。


 よし、たぶん行ける!


「くらえっ!」


「コボッ!?」


 コボルトの小さな木の盾を足の裏全体で蹴り倒そうとする。


……倒そうとした。


『ガツッ』


 と確かに当たった手ごたえはあったのだが、コボルトは、十数センチしか反動で動いてなかった。


「あれ……弱い……」


 目を疑う、驚きと焦りで、険しい顔で相手を見た時だった。


 コボルトの頭上に赤文字が見えた。


 ドックルト : Lv.8


 どうやらそういう名前であり、レベル8らしい、赤文字なのは、挑むには適してなかったということだろうか?


 こんな小さい奴に負けるのは尺だが、蹴りでほんの少ししか動かなかった。


 おまけに武器も持っている、勝ち目は無いだろう。


 逃げるしかないのか……?


 そう思った時だった。


「コボボッ!!」


 コボルト……ではなく、ドックルトは、小刀を振り下ろそうと突進してきた。


 反射的に腕で受け身を取ろうと思うが、切り傷ができては堪ったもんじゃない。


 小刀を振り下ろそうとするドックルトの手元のやや斜め上から、反撃する。


 最初と同じでコボルトは、ほとんど反動で後退することはなかった。


 それどころか、つばぜり合い になり、嫌な予感がするまもなく


 俺の方が2,3メートル後方へ吹っ飛ばされた。


 尻もちをつくまもなく、急いで立ち上がり、先ほど、焼きとうもろこしの匂いがした村の方へ翔けた。


 

 翔けて間もなくだった。 左の太ももを突かれたかと思ったら、直後に激痛が走って、俺はバランスを崩し倒れた。


「ぐぁぁあああああああっ……いっでぇぇっ!!」


 堪らず太ももを確認すると、小刀が刺さっていた。


 血がたらりたらりと、噴き出す。


 堪らず、小刀を抜くが出血は止まらなかった。


 痛みがリアルで夢じゃないことを実感する、しかし、痛みはあっても耐えきれない激痛ではなかった。


 小刀を持ち、立ち上がろうとするが、左足で立つのは困難だった。


 助けを呼ぼうか、みっともないが、死ぬよりはマシだ。


 声を上げようとしたその時だった。


 頭上を何かが通り過ぎたかと思うと、火球がドックルトに当たっていた。


「ゴボッ!!」


 コボルトはやけどを負い、勝ち目がないとわかると一目散に逃げて行った。


「……助かった……。 ありがとうございます」


 腰を上げ振り向こうとした時だった。 


『+10EXP』


 と目の前に文字が現れ、理解すると同時にその文字はスッと消えていった。


「んっ……?」


 完全にゲームの世界っぽいところにいるのだろうか?


「君、大丈夫? って、『lv.1』なの? ここを1人でうろつくなら『lv.13』ぐらいないと危険だよ?」


 レベルも何も、ここに最初から居た自分は完全に詰んでいた状態だろうか?


「ぁっ、はい……気が付いたらここに居たもんで……」


「そもそも………って、そうなんだ、最初からここに……ってなると誰とも会ってない?」


「ぇ? ……まぁ、お姉さんが最初ですかね」


「やったー!! ……ぃぁぃぁ、きっと未来有望な子の先生になれて良かった、出世払い期待してるからね!」


 言葉にどこかぎこちなさを感じた、「やったー!!」が妙に引っかかる。


「ぇっと……出世払い……?」


 意味を確認すると、想像した意味と相違なかった。


 この世界に転生として生まれたものは、初めはこの世界の経験者にレクチャーしてもらうのが習わしで


 色々サポートしてあげた御礼にいつか、『出世払い』という形で御礼をするというのが(なら)わしのようだった。


「とりあえず、その怪我治療してあげるから、村においで、ちょうどお祭りをしていたから、君の歓迎会も()ねることにするよ」


 そういって、女の人は、コルクで栓された小瓶に入った青い半透明液体を取り出した。


 何だろう? と目を凝らすと、再び文字が表示された。


 ポーション(液体) 青 


効能: 傷口をこれで流すと皮膚の消毒と皮膚の再生能力を活性化し、治癒力をあげる。 


 目を凝らしたまま女の人を見ると、


 リア・カーネ lv.24 と表示されていた。


「じゃぁ、一瞬だけ()みるよ」


「んっ……」


 沁みるのも感じたが、気持ちの良い液体の冷たさを感じた。


 +2EXP


 あれ? 今のでも経験値になるのか?


 ポーションの中身を少しだけ傷口にかけると、リアさんはそれに栓をして懐にしまった。


「1分もしない内に治ると思うから、治ったらすぐ傍にある私の村においで歓迎するからね、私は、先に戻るからね」


「……あっ、ありがとうございます」


「んっ……? その小刀、やけに錆びてるね」


 そう言われて、小刀を見ると確かに錆びていた。 刃先3cm弱の辺りが錆びていた。


 ドックルトに接近した記憶を辿るがこんなに錆びていなかったような気がする。


「あ、錆びが傷口に入っていようと消毒されてるから化膿はしないから安心してね、じゃ、村で待ってるから! 早めに来てね、また敵が来たら大変だし」


 そういうとリアさんは足早に村の方と思われる場所へ走っていった。


 何やら急ぎ足に感じた。 お祭りの準備とかで急いでるのだろうか?


 忙しいのに助けてくれた命の恩人、尚のこと1日も早い出世払いができるようにしなくては……。


 人から貰う優しさは心地よかった。


 というか、俺って死んだのか……? なんで?……。


 思い出そうとすると、物凄く長い夢を見ていたような感覚で記憶に(もや)がかかっているのを感じた。


 思い出せるのは、小さいころのほのぼのとした日々、それ以降は年を重ねるにつれ何故か思い出せなかった。


 あれこれ考えようとした時だった。


 事故的に目を凝らした。



 手に持っていたアイテムの名前が表示される。


 錆びた小刀 


 なぜ死んだのか少し気になったが、RPGっぽい世界に転生できたのは幸運だろうか?


 前世でもゲームが好きだったのはなんとなく覚えている。


 目を凝らしたまま辺りを見渡すと、ドックルトが立ち去った場所に何か薄緑色のカーソルがあった。


 近づくと、小さい木の盾が落ちていた。


 こういうのって少しはお金と交換出来るのだろうか?


 一応文無しなわけだから、拾っておこう。


 小さな木の盾の裏側を見ると、持ち手の部分は、指が二本入るのがやっとだった。


 小刀もちょっと小さくて扱いづらそうだ、錆びてるし……。


 


 そんなわけで、 錆びた小刀と 小さい木の盾を右手に持ったまま俺は村へと急いだ。


 村に着くころ、急に辺りが暗くなり始めた。


 そして、想像以上に大歓迎されるのであった。

村人の大歓迎と錆びの理由はいかに?  

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