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転がる 枯れる
シンプルに形にしてみせた
ひとりの相棒とひとつの相棒
向かうところ敵なし
爆音に研ぎ澄まされた 心の矢
精一杯 優しさと強さと自信と
たまごの殻をかぶせたような
鼻をすすり にやける景色
そこへ向かって 転がり続けた
道端から吹き飛んだ
かけがえのないもの
知っていった言葉たち
出会った人々 見てきた風景
何もかもにアンテナを張り
所構わず やりたい放題
白と黒の絵の具がなくなる日々
出向く足は 青春の終わりと共に
風の流れと共に
減ってゆく 減ってゆく
初めて出会ったばかりのまま
目尻のシワは増えてゆく
止まらない いつまでも
そこに約束できなかった約束が
衝動と共に 過ぎ行くならば
いつまでも いつまでも
転がる 転がる 枯れる 枯れる
本当の優しさを知ってしまった頃
すべての疑問が線で繋がる
ありがとうと言えるまで
心の底から言えるまで
叫ぶだけ 叫ぶだけ
数を数える 何度も 何度も