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初動衝動  作者: 絶望大福
96/243

転がる 枯れる

シンプルに形にしてみせた

ひとりの相棒とひとつの相棒

向かうところ敵なし

爆音に研ぎ澄まされた 心の矢

精一杯 優しさと強さと自信と

たまごの殻をかぶせたような

鼻をすすり にやける景色

そこへ向かって 転がり続けた


道端から吹き飛んだ

かけがえのないもの

知っていった言葉たち

出会った人々 見てきた風景

何もかもにアンテナを張り

所構わず やりたい放題

白と黒の絵の具がなくなる日々

出向く足は 青春の終わりと共に

風の流れと共に

減ってゆく 減ってゆく


初めて出会ったばかりのまま

目尻のシワは増えてゆく

止まらない いつまでも

そこに約束できなかった約束が

衝動と共に 過ぎ行くならば

いつまでも いつまでも


転がる 転がる 枯れる 枯れる

本当の優しさを知ってしまった頃

すべての疑問が線で繋がる

ありがとうと言えるまで

心の底から言えるまで

叫ぶだけ 叫ぶだけ

数を数える 何度も 何度も


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