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初動衝動  作者: 絶望大福
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二人だけ

かけがえのない 幼き顔は

イロトリドリに憑依ひょういした


ヌンチャク持った亀も居た

枝に座ったねずみも居た

サンタの服着た くまも居た

体を張ったヒーローも居た


どこにもないお話を

出てきた言葉で ただ二人


ありえない展開と

誰にも通じない創造があった


野球ボールは転がった

やり方はたぶん 違うけれど

壊れてからが 本領発揮


旬で去った恐竜も居た

触るとしみるクジラも居た

大きな体の脇役も居た

都合の良いよう 右へ左へ


忘れた頃に 触ってみると

指は感触覚えている


状況は随分変わったけれど

互いに背丈も違うけれど

どこかに残る欠片たち


薄暗いダンボールの中

じゃれ合うような あの頃の二人

探るように 聞いてみれば

笑顔が確かに覚えている


この世にたった二人だけ

世界にたった二人だけ

二人だけが知っていた

銀河のような お話があった

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