表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初動衝動  作者: 絶望大福
88/243

月を割る

歪んだ空 雲がなにかを主張する

理不尽な金縛り 震える手先を

オレンジ色の 水平線へ

波は穏やか 古い船

渡り鳥が 中途半端なスピードで

横切る 夕暮れ

風はゆっくりと吹く 月がのぼる


等間隔に並べられた空き缶と

置いてきぼりにしてきた 約束と

はにかむように 腰を添える

どこまでも続くような

月光の中、地平線を眺めていた


何の役にも立たないものを

ただひたすら守るだけ

攻撃された 弱気心は

綺麗な水を 歪ませている


本当はどこにもないものを

ただ大切に守っている

馬鹿にされようが関係はない

完結された一章を

遠い記憶をめくっていく

人の気持ちを無視する中毒者

味方はどこにもいないのに

乱撃戦をやめはしない


隠している本能を

解放させる秒読みが始まる

黙って過ごした日々がまもなく

爆発をして壊れてゆく

守りに入ったフリをしたけど

我慢の限界 月を割る

モンシロチョウが飛ぶ頃に

言わずにいた言葉を

すべてさらけ出してやる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ