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交わした約束
行こうぜ 約束の地へ
列車は上り 昨日の夢
閉ざされてゆく 忘れられた出会い
真っ赤に染めた 目玉で見た
あいつと交わした約束がある
弱いところも 鎧に変えた
曇り空 中途半端な俺と同じ
空き缶ひとつ錆び付いた午後
なけなし叩いて買ったスニーカー
心の叫びとともに履き潰された
目を閉じ 無音の中で眠れば
あれからこんだけ 前にいる
川が流れる側にある 底なしの夜空に
すべてを投げて 生きてゆく
スペアミントの夜の中を
音にまみれて 噛み砕いて
詰め込んだ鞄の中身には
手に入れたものたち 約束と共に
遠くに見えた橋を渡る
揺れる思いと 隠した仮面
枝から離れた果実たちは
強く地面を叩きつけた
あいつと交わした約束がある
すべてに言い訳垂れてる
くだらない敵をぶん殴って
確かに見えた残像が
わくわくする残像が
あいつの顔の残像が
夕日に向かって拳をあげる