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ひろうこんぱい
心などここにあらず
覇気がなく 情けない
白いため息は抜け殻とともに
視界はいつもの半分ほど
飛び跳ねる頭の上は
嵐が吹いた枯れた荒野
出てくるあくびは底なしで
関節はひとつも動きはしない
外では世間話 忙しそうで
鳥のさえずり 猫の喧嘩
太陽も元気に笑っている
風は冷たく 強く窓を叩く
昼間の情報バラエティ
流し目で 音を静かに消す
橋の上には列車が通る
いつもの時間に揺れている
すべての無が無関心に
静寂な氷の中へと連れて行かれた
電子鉄線で包まれた
目も葉もない噂たち
流れゆく景色をずさんな態度で
なぞったあげく 知らんぷり
魂がちょうど抜けきった頃
もうほとんど眠れないくせに
無理矢理目を閉じ
眠ったふり 心などここにあらず