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反撃開始
本当はもっと分かりやすいものだった
林に隠れた悲鳴たちは
いつか森の中へゆく
寝ぼけた獣が起きた頃には
風に吹かれて 夏は終わった
言葉ひとつないままに
絞り出す 途切れ途切れに喉の奥
軽く突き放した 乱用行為
逆手に取られ 手遅れになる
軽口を叩く思いつきに
振り回される幼き飴玉
信じるものが強くなって
ぐるぐるまわる 燃料タンク
吐き気を覚える
控えめなヘルプ
いつか歌った鼻歌の続きさ
名盤が並ぶラックの中
飛び出す血吹雪舞い上がる
最低な心地にイライラするけど
込めた塊を爆発させるだけ
あと少し
少しだけ意地悪な逆襲の気配
誰も見たことがない悪人の顔
それだけの事をした
ただそれだけの事
やってしまえ 本音に任せて
倒れそうなビルがあるだろう
声を合わせた 狂おしい時間の中
脊髄 細胞 眼球 鼓膜 心拍数
数える日々は闇へ向かう
浮き沈む糞味噌もどき
食べたくない甘い嫌がらせ
小さなドラム缶が破裂する
指で辿った地図がある
変えてくれるな 生まれた顔を
悴む手先で着けたマッチの炎
見つめてニヤけた 覚悟の夜更け
この拳でする事は?