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知らないふり
主張する日付が並ぶ壁
綺麗に並んでいるように見える
そこはただの黒でしかない
形状をただ記憶するだけ
何ひとつ優しさはなし
誰も頼りにするものはいない
壊れかけのディスプレイ
決まりが変われば知らないふり
ひたすら大声で言えばいいだなんて
なんとも格好が悪いこと
感情ばかりを表に出しやがる
ひどい仕打ちも知らないふり
どうでもいい整理整頓
ミリ単位の暇人がいる
訳もわからぬ棚の上には
怖い目をした葉っぱが生える
誰もメモを知らないふりして
作った笑顔でお出迎え
老いぼれた手先は机を散らかす
その後はもちろん知らないふり
誰も彼も知らないふり
嬉しいことも悲しいことも
関係なければ知らないふり
そんな波でもまわる星
押し付け合い 知らないふり
知らないふりをしないやつは
涙化粧 枯葉に舞う 損するだけ?
ドブの色した世界まん中
どれだけ知らないふりをする