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魔のテーマ
朝日が昇る 駈け出す足元
急がす流れと寝癖と共に
余裕はひとつもないままに
いつもの通りを いつものスピード
顔を会わせる 見慣れた表情
余計なものは吹き飛んで
たったひとつの形相が並ぶ
廃れた下駄箱 茶色く濁る
意地悪な風が吹いたならば
後は頭をさげるだけ
昨日の夜更かし恨む気持ちは
2分の眠りで 忘れ去る
いつの時代もその足で
幾多の柱の間を横切り
白いラインの内側をなぞる
いつも心にひとつの願い
数分間の冒険は
いつまで経っても場面を写す
魔のテーマ
飛び跳ねる結晶 隠しきれずに