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桜の木
桜の木が化石に変わる冬の風
ずるい顔の偽善者は
適当な言い訳と連なる罵声
弱気心に土足で伺い
不器用な惰性を踏みにじる
ぬけがらの冒涜
気持ちは既にない
甘ったるい呼吸音が
けだるい空気に淀んでいる
今まで対局にあったものは
しっかりと根を張り
夢を見させる
無感情の矛先は
舐めた口を裂くために
爆発音のはじまりを告げる
ニヤリと笑う 午前1時
何一つ憧れぬ たるんだ顔へ
世界で一番尖った槍のような
柔らかい顔でぶち抜く手前
もはやあんたに用事はない
今にも泣き出しそうなその顔は
化石になった桜の木