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こんなはずではなかったのに
少し前のリアルタイムに
浸るような夢をみた
美化された過去たちが
呼吸と共に動いている
いつまで経っても階段は続く
色んな角度から殴られるけど
そこにあった原石は
やり方次第で光ったようだ
ふらつく足を無理矢理止めて
ちらっと見た花壇の中
膨らみ始めた蕾があった
少し長めの髪を束ねた
あの頃の君がここにいる
転がるものは計り知れず
両手じゃとても抱えきれない
つむじ風が吹いている
運動場の砂が舞う
その瞬間に春が終わる
突き放された絶望に寄り添う
鏡に映る服装に青い雨
踏み潰される自尊心
あの頃の少年は何おもう
爆発されるはずだった
頭ん中の雷は
いつしか穏やかな気候に変わる
こんなはずではなかったのに
変わり果てた姿に今
覚悟を決める夜明け
遠くで鳴る汽笛に飛び乗る