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一番好きな色を探して
視界がボヤける雲の中の上の辺り
ぶら下がった言霊は
数ヶ月先のカレンダーへ
息をして目を閉じる
まぶたにひっつく走り書き
朝焼け空のオレンジ色
冷めた珈琲に口をつける
まわりをなぞるラインを超えて
固く結んだ紐で走る
何処へまでも転がり続ける
もはや落ちる場所はなく
それでも尚、転がり続けて
地は固まる、ピストルが鳴る
燃えたぎったロクデナシ
叫び声が空になる
遠くで聞こえた似たような声
消えてしまいそうなつよがり
キャリーバックへ詰め込んだ砂
辺りはなんとなく照らされる
ぬるめを含んだすきま風
隣の街の匂いを運ぶ
隣接しているドアの向こうへ
一番好きな色を探す