表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初動衝動  作者: 絶望大福
56/243

踏み出す足と最終駅

深緑の情けない表情

憧れだらけのやぶれた襖

教科書通りのコーディネート

撃たれたベルトが目に余る

驚きひとつもないままに

駆け足で降りる無人駅

背伸びした化粧は大人びた色気

足の傷が正体を現す

目覚まし時計の顔を並べて

僅かな気持ちで送る箱

電灯虚しく季節は変わる

熱を帯びた肘と肘

二度と気持ちは触れ合わない

マーブル模様の床を見下ろし

砕けた本音を腐らせない

かぶれていくモノ横に見て

拭った汗の青写真

きりきり舞いの衣装はいずれ

乾いた生活潤す旗

唯一信じた切らない髪

ガタガタうるさいショベルカー

欠点踏んだ対峙した時代

あの頃確かに見たものは

ハッピーソングのクライマックス

時代遅れの襟を整え

踏み出す足と最終駅

帰る場所は何処にもなく

帰り方も忘れてしまった

叩いた埃は落ちてゆく

えんじ色した窓の外

闇に光ったほこりの数と

だいたい同じシワの数

得体の知れない終末へ

最終列車が車輪を動かす

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ