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プラットホーム
夜の匂いは無理矢理森閑
足踏み揃える疲れた歩幅は
今日の終わりを告げている
雲の隙間を薄く濁す
月光頼りに方向探す
点滅している信号機
知らない誰かが待ち合わせ
くたびれた裾は踏みつけられる
瞬きの度に汚れを拭えば
プラットホームに立ちすくむ
ベンチは傾き明日を占う
鞄の中は走り書きの散乱
漂う煙の中へ消える
最後の列車はいつもの速度
レールに擦れる金属音
地球が廻り振り向けば
最初の列車がやってくる
ため息さえも許されぬ
同じような日々の余韻