51/243
あの日のメモ
書き殴ったメモを片手に
醒めない眠りを終えた後で
久しぶりにエコーを吸う
挨拶交わした股旅芸者
凍るような寒気を投げ入れ
とにかく行方を探している
バックビートはラジオから
青空高く舞い踊る
かもめを羨み上を見上げる
愛を語ったあの日から
悲劇の幕は閉じられたはず
素直に歌った子守唄
夜のうちに用は済ませる
ダムに溜まった水が流れる
勢いつけて流れていく
書き殴ったメモを見れば
あの日の決意が見受けられる
涙を流す時間はなく
日に日に頬は削られていく
乾いた目頭手を当てれば
進んだ足は止まらない
どんなに犠牲を叩いても
ちっとも暮らしは変わらない
それでも此処に生きてる限り
覚悟を決めた扉を開けてく
書き殴ったメモの切れ端
こいつが燃やすは魂だ