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夢を見たのかい
抜け出したい まだ見えぬ門出へ
非人に成り下がった 覚悟も抱けず
夢見心地のまま 窓を開けず
日がまた昇る 月と待つだけ
枕にめり込んだ 青春時代の花びら
転がる空き缶 蹴飛ばし どこへ
路地裏 逃げ込む やるせない思いと
夢を見たのかい みんな見たのかい
すれ違う君の目 僕はもう写らず
夢を見たのかい みんな見たのかい
あの頃の景色は 覚えているのかい
あの春 屋上で寝転んだ 片割れ
気づけばもう 誰も居ない 冷たい風
紆余曲折を繰り返す
あきらめた顔して あきれたように
同じ時間に目を覚ます
夢を見たのかい みんな見たのかい
取り残された この身体 この目線の矛先
夢を見たのかい みんな見たのかい
海の向こうへ そびえたつ
今は見えない 日々がある