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すべてのものを
南の島の光った月を
綺麗だなあとぼやいたあなたは
類稀なる言葉を選んで
静かな心地をくれました
伸びやかな坂道を登り切り
潰れた武器は既になく
心も身体も疲れたようで
少し休んで顔をあげた
そんな日暮れに出会いました
手と手の間に空間を空け
静かに闘志を自分のペースで
心変わりは多いけれども
確かな音符が見えました
語り語った道標
ちらっと見えたぼんやりした顔
何故か小銭は出てきたようで
束なるプレス、気持ちをえぐった
どでかい花火は打ち上がらずに
もうダメだろうと声がする
それでもあなたは吹雪に負けず
僕らに勇気をくれました
まっすぐな素直さ重なる言葉
朝も昼も夜も風も
春も夏も秋も冬も
すべてのものを柔らかく優しく
心をゆっくり温めるのであります