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珈琲だけで数時間
平常心はいつも小波
騒めきさえも感じさせない
心は近く低音で
じんわり棘を溶かしていく
サラサラなびく弱き心は
優柔不断のタオルケット
ギリギリぶつかる興味を語り
珈琲だけで数時間
ぶらぶら歩く無意味な夜
プラモデルの地平線
殺風景な空間を
ごちゃごちゃ濁す人影あり
恥じる記憶を飛ばし合えば
ゆっくり流れる四コマ漫画
ひとつ心に繫ぎ止めた
訳もない指先は
代わりのいないものだったはず
立ち去り話すこともなくなり
年に一度の宅配便
街に吹く風、目が合えば
珈琲だけで数時間
忘れ物は多すぎる