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無
無垢な居場所を探る息の切れた参列
数を合わせる無神経な雨足
きらきら光る目覚めを探る
目まぐるしい乱反射
かつての足踏み無意味な時間
選択肢はたくさん間違え
開いたまぶたの遠い記憶
真っ直ぐ進むことはできずに
いつだって隣の芝生は青く見える
方向転換戻る先も分からずに
触れた緑は無造作に揺れる
傘もささずに雨の道
無理矢理作った笑顔も流す
流れの速い川を見つめて
知らない土地で身体を伸ばす
立ち入り禁止を何度も飛び越え
迎える先で無駄な動き
静かに通る風の通り
無音の夜は寂しくて
いつかの別れと同じ気温
すべて投げ出しさらけ出して
無表情に心を探る
角ばるラッシュを掻き分けて
無数の棘を払いのける
無条件に進む日々に
心はここに何も無し