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髪の先
微妙なお辞儀に飛び込む波際
椅子に座った通り道
身体は背けずそのままで
頭の上の落下物
気にすることなく神経はどこへ
何度もそこを通りかかり
わずかな伝達探る足
うまく喉は開かずに
身振りも手振りも無愛想
そんなつもりはまったくないのに
ごく自然に笑っていたい
無神経な格好で
家を出たことに後悔する
少し雰囲気が変わったことも
瞳の奥で眠らせる
心通う上がる声
今は少しいらない気分
ざわざわ動く白い羽も
素直な心も持て余すだけ
ラックの中に欠片を探す
目線の先に欠片を探す
食いつくエサに欠片を探す
扉を開けた瞬間に
目に飛び込むのは遠い海
色んな場面を想像する
出来上がったパンケーキ
知らない匂いの一人部屋
知らない二人の笑い声
深水深く潜っていって
綺麗な真珠を掴みたい
眠れぬ夜と赤いリンゴ
点と点を結べるものは
未だ出会わぬ髪の先