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隠と陽
知った色は少なかった
居心地の良い緑の丘で
キラキラ光る装飾品
分け合うように語り合った
囲炉裏を囲んで嗜む程度
子供心のまわる地下鉄
右から左へ受け流した
真逆の街へ降り立っても
見当違いの海で日焼け
どこより出入りし、寝転がる
どうしていいか分からずに
気弱な気配り無視してしまう
憧れていた舞台は夢で
行き先見えない日々は続く
まぶたの裏で見ていたものは
隠と陽の駅の違い
幅の違うアンバランスな格好で
からくりのようにひぐらしが鳴く
あの日見た木彫りに入った青写真
遠くに見えたものが光った