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柔らかな風船
無数の棘に柔らかな風船
歌った数より小さく見える
めくる速度は早くないけど
夢の中では救われる
ラインを少し超えた色
布団を蹴飛ばし起き上がる
見ればいつも綺麗に整え
見られる妥協は許さない
皮を剥いだ原色は
たったひとりの為のもの
当たりは強く涙が出そう
少し並んでふんわりと
桃色の心地を感じている
ニヤける言葉に緩む春
夜更けが足を動かした頃
入れ替わる席が少し寂しい
焦りを引き出す意地悪な風
見ている人は見ていてくれる
まあるい日々の晴天に
ぷかぷか浮かぶ
柔らかな風船