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表と裏
英字柄のブックカバー
真逆にあるニヤつく暇つぶし
水の入った風船を
針でつついて割るように
シュレッダー行きの千切れた水路
半開きのこびり付き
スコップのようなポストへ投函
芯を紙で擦り切らせ
再放送は決してしない
至って内容は興味なし
キングのシャウトが聴こえてきた
寝起きで出向く青春の味
変わり果てた主題歌は
ちょっと昔の午前3時
時代が進む綺麗な音は
煩わし過ぎる腑抜けた雑音
微かに残る後味は
初動を感じた素直な心
たった2分の会話の中で
繋いだ似ている感覚は
変えることは出来はしない
表と裏で掛けた博打は
終電頃の新幹線
よくも分からぬ絵画を眺める
天気もよくわからない
夏の暑さの鳥肌がたつ
誰にも決して見られぬように
用心しながら宇宙へ向かう
浅い知識をカミソリで
ひっかくように胸を張る
そんな事を思いながら
明日のことを思い浮かべて
ぬるいビールは喉で遊ぶ
表と裏が繋がる夕暮れ