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丸い顔
忘れてしまった顔がある
枕を片手に愉快に笑う
口から出たわがままは
寝ているときだけ止まります
言われることがいつも嫌いで
一刀両断、戦がはじまる
信じていた顔がある
いつも隣に嬉しく笑う
突然すぎる裏切りに
体をそむけた
今はいづこへ
すべてに陽を分け隔てなく
すべてを一点で受け止めた
頬は緩む松竹梅
丸く浮かぶいちご畑
ペシャンコになった
セーラー服の魔法使い
どデカイステージのセンターへ
ひとつも漏らさずエールを送る
同じような顔がある
移り変わる本音と建前
残りの時間を知ったかように
立て込み飲み込む
赤い髪
再び同じような顔がある
未だ聴けない素敵な歌は
空耳でさえも聴こえはしない
身体にむち打ち
初めての遠出
あっけらかんとシャッターを切る
回転速度を速める先に
丸い顔は
異国の空見てどんな顔する