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聞いておくれ この暮らし
透き通る空の下 灰色の風に吹かれて
やりたい事も中途半端に
流れる季節を悲しみと共に
忘れがたき思い出の中
刺激し合う 存在に 真面目な顔して甘えている
小さなステージの上 ランタンの灯火
缶が転がる 二日酔いの朝焼け
ラムネを喉が鳴らす 強い刺激
顔を歪ませ 曇り空を眺める
蝉の声が聞こえてきた
遠くからは20年前のヒット曲
さすらいのように 揺れ動く衝動
角と角がぶつかり合う ぐちゃぐちゃの空間
白く塗った木屑が舞う 太陽は昇る
少しだけお腹が空く いつものラーメン屋
下駄の音が重なり合う
等身大の時代背景
あの人は頭の良さを隠している
ポストカードを眺めている
聞いておくれ この暮らし
コバエが飛んでる 部屋の中
動けない身体がここにある
憧れだったあの人はあのまま
聞いておくれ この暮らし
正真正銘の風が吹く 沈んでゆく
夕暮れだ 空の色が変わっていく
今日も一日 何もなく