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妄想と現実の狭間
大きく出て 嘘で眠る
なにひとつ痛くないくせして
独りよがりの被害者面
殺されていく感情を見たくないだけ
しっかりと立ち上がっている
そんな気がした 気がしただけ
昨日の余韻が邪魔をして
現実からただ逃げ出したいだけ
やるべきことは多すぎるのに
目をつむり 明け方の憂鬱
流れる日々に 無理矢理の激情
太陽が眩しくなる頃
緊張の糸が切れる音
夕暮れ時までゴロゴロして
バキバキになる身体の音
もう少しだけ 夢にまでみた暮らしの中で
追い込んだ物語がはじまる
とっておきの話があるんだ
今を生きる男の話が
ひとつひとつを現実にして
嘘八百を真っ当化する
妄想と現実の狭間で
怪獣が動き出した 一歩 また一歩
奏でる音色に夜の匂い
絶望に魂を揺らして
かけがえのないものを取りにいく