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初動衝動  作者: 絶望大福
197/243

妄想と現実の狭間

大きく出て 嘘で眠る

なにひとつ痛くないくせして

独りよがりの被害者面

殺されていく感情を見たくないだけ

しっかりと立ち上がっている

そんな気がした 気がしただけ


昨日の余韻が邪魔をして

現実からただ逃げ出したいだけ

やるべきことは多すぎるのに

目をつむり 明け方の憂鬱

流れる日々に 無理矢理の激情

太陽が眩しくなる頃

緊張の糸が切れる音

夕暮れ時までゴロゴロして

バキバキになる身体の音


もう少しだけ 夢にまでみた暮らしの中で

追い込んだ物語がはじまる

とっておきの話があるんだ

今を生きる男の話が

ひとつひとつを現実にして

嘘八百を真っ当化する


妄想と現実の狭間で

怪獣が動き出した 一歩 また一歩

奏でる音色に夜の匂い

絶望に魂を揺らして

かけがえのないものを取りにいく

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