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まわる
33回まわって
45回目に心を抜かれる
遊び場が潤うような
現実的だけど時代の真逆 逆らうように
しっかりとした奥行き 大切なもの
古びた喫茶店で珈琲をすすり
経済新聞と色あせたコミック
少しずつおんなじスピードで時間が流れる
もう一度初恋のころに戻る 梅が咲く
ひとつひとつに何かがあって
ひとつひとつ覚えて忘れていく
とんでもない音で向こうまで届かせるようだ
無愛想な心模様に
電信柱の角から ただよう香り
もう二度と戻ってこないこと
必要がないと判断したもの
ここで 今ここで
そこに意味がある 情けなくとも
45回目にたどり着いた
うる覚えな感情で
心ゆくまま 感じたまま
何かが生まれる気がしたから
33回まわってみせる
昨日の余韻で優雅に過ごして
余裕をもって またまわる またまわる